(1) ニューバリュー a) 教育事業 同社の成長戦略の方向性を「モノ」から「コト」へ移行を進めるなかで教育事業へのM&Aを開始し、2020年3月にマンツーマンアカデミー、2022年5月に東京ガイダンス、2023年12月に灯学舎を子会社化した。各社ともやる気スイッチグループ「スクールIE」のFC加盟店事業を主力とするメガフランチャイジーであり、重要なFC加盟店オーナーとして個別指導教室を展開している。同社グループの学習塾ビジネスは、この3社で67教室と首都圏を広くカバーしている。同一FC加盟店なので、3社間での事業運営ノウハウ・人財採用・育成プランの共有などを図り、販売管理コストの削減効果による収益力向上のシナジーも期待できる。
b) リユース事業 2022年6月OLD FLIP(2018年設立)を子会社化することでリユース事業に参入した。店舗及び催事会場での古着の買取・販売を行うほか、BtoBでの古着卸売も行う。気軽に立ち寄れる安さ、商品の豊富さを提供する「ゴー!ゴー!古着」をマルイなど商業施設の中に4店舗を展開するほか、ポップアップストアなどで短期の催事販売も行う。また、仕入商品の一部をBtoB取引に活用することで、店舗販売・卸販売の両輪で安定した販路を確保しつつ、商品廃棄ゼロを目指す。2023年には、同社グループ店舗や協賛先に設置された衣料品回収ボックスを通じて回収されたリユース着物のリメイクブランド「zivun(ジブン)」を立ち上げ、帝国ホテルやラフォーレ原宿でポップアップストアを開催した。さらに、イトキン(株)と協力し、イトキンの倉庫に眠る商品を新たなデザインでリメイクしたD2Cブランド「re:mine(リマイン)」と「zivun」がタッグを組み、新しい商品を作っていくことを公表した。同社グループに加わることで、グループ会社や他社とのコラボレーションが進み、グループ全体での販売チャネル多様化も期待される。古着のアップサイクル、サーキュラーエコノミーを促進し、変化する消費者ニーズに対応するとともに、持続可能なサプライチェーンの実現に向けた取り組みを進め、グループの企業価値向上を目指す。
c) フォト事業 2025年4月に東京町田市周辺にフォトスタジオを4店舗、衣装レンタル専門店1店舗を運営するYS(1991年設立)を子会社化した。フォトスタジオのうち1店舗は日本初の犬専門の肖像写真館である。直近2024年10月期第3四半期の売上高は172百万円、営業損益は5百万円の損失を計上している。マタニティフォトやニューボーンフォトなど新市場への先進的なサービスを展開する。また、SNSを活用した集客、インスタ映えを意識したサービス提供など若年層向けの集客力も高めている。YSは、町田周辺で店舗展開しているが、同社の美容室(My jStyle)、和装店舗(東京きもの愛)も町田にあり、成人式・結婚・出産などライフイベントを軸とした継続的な顧客接点によるLTVの最大化、美容・和装との高い親和性を活かした統合的新サービスなどによるシナジーの創出が可能となるであろう。将来的には、和装×美容×フォトによるインバウンド向け店舗の展開なども視野に入れているようだ。