*14:04JST ミアヘルサHD Research Memo(4):2025年3月期は売上高、営業利益、経常利益で過去最高を連続更新(1) ■ミアヘルサホールディングス<7129>の業績動向

1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.9%増の23,825百万円、営業利益で同62.2%増の641百万円、経常利益で同72.3%増の644百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5321.6%増の299百万円といずれも期初計画を上回り、売上高、営業利益、経常利益は連続で過去最高を更新するなど好決算となった。

事業セグメント別の前期比増減額を見ると、売上高は子育て支援事業で574百万円の増収となったほか、医薬事業や介護事業、その他も含めてすべての事業で増収を達成した。一方、利益に関しては医薬事業やその他が減益となったものの、子育て支援事業や介護事業の増益でカバーした。また、期初計画比では売上高で925百万円、営業利益で151百万円それぞれ超過した。主には子育て支援事業の業績上振れによるもので、2024年12月にこども家庭庁が「令和6年度公定価格の増額」を決定したことで、2024年4月に遡って関連収入が増額となった。医薬事業も売上高は処方箋枚数の増加などにより502百万円の上振れとなったが、利益ベースでは仕入マージンの悪化やコスト増加により30百万円の下振れとなった。

なお、特別利益として新規保育園2園(「ミアヘルサ保育園ひびき 羽沢横浜国大」「ミアヘルサ保育園ひびき 綱島」)の開設に伴う設備等補助金収入140百万円(前期比90百万円増)のほか受取補償金78百万円※、2025年2月に特定施設入居者生活介護事業を売却したことによる事業譲渡益50百万円を計上し、特別損失として既存事業所の収益性悪化等に伴う減損損失426百万円(同169百万円増)を計上した。

※ 「ミアヘルサ保育園ひびき 羽沢横浜国大」の入居先ビルの竣工が遅延し、2024年4月の開園予定が同年9月に遅延したことに伴う開設支援金等を受取補償金として不動産オーナーから受領した。

(1) 医薬事業
医薬事業の売上高は前期比3.0%増の9,582百万円、セグメント利益は同4.8%減の519百万円となった。2024年7月に医療モール型薬局(東京都立川市)1店舗を出店し、店舗数は前期末比1店舗増の43店舗となった。売上高は処方箋単価が前期比3.0%低下したものの、新規出店効果により処方箋枚数が同6.0%増と4期連続で増加したことが増収要因となった。

処方箋単価については、後発医薬品調剤体制加算の取り組み強化や2024年度より新設された医療DX推進体制整備加算の取得等により技術料単価が前期比約70円上昇したものの、薬剤料単価の下落分(約490円の下落)をカバーしきれなかった。薬剤料単価については平均単価の高い門前薬局の処方箋枚数が減少し、医療モール型薬局の構成比が上昇したこと、また2024年4月の薬価改定で薬価引き下げの影響があったことが下落要因となった。特に、ここ数年は大学病院に通院する患者が逆紹介で居住地近隣の診療所などに通院場所を変えるまでの期間が短期化する傾向が強まっており、同社の門前薬局で処方箋枚数が減少する要因となっている。

利益面では、医薬品の需給ひっ迫を背景に仕入マージンが厳しくなっていることや調達コストが上昇していることが減益要因となった。なお、2022年1月に地域災害拠点中核病院として開業して以降、来院患者数が伸び悩んでいる東京女子医科大学附属足立医療センターについては、2025年3月期も患者数が当初想定を下回っている。医師不足により当初計画していた診療科目数に達していないことや、東京女子医科大学の経営の混乱などもあり停滞が続いている状況だ。このため、同社が門前薬局として開設した2店舗(江北店、江北2号店)の稼働率も低迷している。ただ、2024年12月には改善計画が発表され、今後数年かけて機能を拡充していくことが予想され、同社店舗についても中期的に収益貢献するものと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ミアヘルサHD Research Memo(4):2025年3月期は売上高、営業利益、経常利益で過去最高を連続更新(1)