1. 中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」 国内毛髪市場は長期的に逓減傾向にあり、中期的には、女性活躍やシニアのアクティブ化、団塊ジュニア世代の取り込みなどの機会と、人手不足の慢性化や円安や資源の高騰による原価・販管費の増加、人口減による顧客数の減少といったリスクが併存している。こうした環境下、同社は2017年、グループのモットー「ふやしたいのは、笑顔です。」をベースに、“新しい未来を切り開く10年、Open the Future”という長期ビジョンを策定、顧客満足の向上と利益増強を重視した経営に転換するとともに新しい事業領域に踏み出すこととなった。長期ビジョンを3段階の中期ビジョンに分け、2024年3月期に始まった中期経営計画2023-2025「アートネイチャーAdvanceプラン」では、同社を取り巻く環境変化が非常に激しくなるなか、間近となった長期ビジョンの実現に向け、「次代を切り拓くアートネイチャーの飛躍」というビジョンの達成と、売上高523億円や経常利益率10.0%といった目標を目指した。しかし、新規売上の低迷や物価上昇などにより、最終年度である2026年3月期の目標を見直すことになったことは前述した通りである。