(3) TeleXus関連 「CRI TeleXus」は、大人数同時会話、立体音響・空間演出、AI通訳といった機能に強みを持っている。このため、リアルタイムコミュニケーション技術やコミュニケーション空間での映像と音声の高度な伝達技術などによって、オンラインコミュニケーションプラットフォームを構築できる。特に開発中の新機能であるAI通訳機能は、実用的な翻訳精度や翻訳速度、多言語対応という強みにより、外国人と会話する場面で容易に言語の壁を取り払うことができる。こうした強みを背景に、ゲーム市場で採用タイトルの増加に注力し、非ゲーム市場ではモビリティ、イベント、教育などの新規市場への進出を目指す。具体的な戦略としては、ゲーム市場で採用実績を積み上げることで、低遅延で低負荷という他のボイスチャットに対する優位性を認知してもらい、ユーザーの利用を増やす戦略で、既にVR対戦アクションゲーム「ブレイゼンブレイズ」へ採用されている。モビリティ分野では、コネクテッドカー(Connected Car)※1の普及によって形成が予測されるMaaS(Mobility as a Service)※2コミュニティをサポートする計画だ。また、観客の歓声や熱気までも感じられる立体音響を活用したオンラインイベントを実現することでリアル開催とは別の収入源とすることや、先生やクラスメートの位置関係から教室内の音場を再現することでオンライン学習のときに感じる孤独感を緩和することなども想定している。TeleXus関連の売上高は現状微々たる数字だが、非ゲーム市場への展開を強めることで、5〜10年後には30億円に拡大する方針だ。