日本経済は、各国の通商政策などの影響を受けて一部に弱めの動きも見られるが、企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持しており、景気は緩やかに回復している。同社を取り巻く事業環境については、コロナ禍を契機として普及したテレワークが新たな働き方として定着し、ボイスチャットやWeb会議ツールなどオンラインコミュニケーションツールの活用は常態化した。また、モビリティ業界において、ゲーム業界で培ってきたミドルウェアに関する同社の技術と知見が、SDV(Software Defined Vehicle)※の開発に貢献できるものと期待されている。こうした環境下で、同社は重点施策として、オンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」の開発を行うとともに、モビリティなど今後成長が見込める事業や市場を見据えた研究開発体制を整備し、事業基盤の拡大、グループシナジーの創出に注力した。この結果、売上高、各利益ともに前年同期比で大幅な増加となり、期初予想に対しても、特にエンタープライズ事業のモビリティ分野と組込み分野、ゲーム事業の音響制作分野が想定を大きく上回って好調に推移した。