*13:07JST TKP Research Memo(7):2026年2月期も増収増益基調が継続。グループシナジーの実現にも取り組む ■ティーケーピー<3479>の業績見通し

1. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績については、売上高を前期比74.0%増の103,000百万円、営業利益を同18.3%増の7,000百万円、経常利益を同3.0%増の6,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、最終利益)を同15.6%減の3,200百万円と、引き続き大幅な増収・営業増益を見込んでいる。最終利益が減益となるのは、前期同様、税効果のはく落によるものである。

売上高は、好調な外部環境を背景に同社本体が順調に伸びるほか、リリカラ及びノバレーゼの通年寄与が増収に大きく寄与する※。特に、貸会議室・フレキシブルスペース事業の伸びや前期出店した宿泊施設の通年寄与、新規出店等が業績を押し上げる想定だ。なお、新規出店・増床については、既述のとおり、約7,200坪と前期(約6,000坪)を上回る水準を予定しており、既に約4,000坪が決定済である。

※ なお、リリカラの2025年12月期の業績予想は売上高が36,800百万円、営業利益が1,000百万円(2025年2月13日公表)。ノバレーゼの2025年12月期の業績予想(IFRS)は売上高が20,505百万円、営業利益が1,878百万円(2025年2月14日公表)である。

利益面では、新規出店・増床に伴う初期費用やのれん償却費など先行費用の拡大が見込まれるものの、増収によりカバーし営業増益の確保を目指す。ただ、営業利率は6.8%(前期は10.0%)に低下する見通しとなっている。

2. 弊社の見方
先行き不透明な経済情勢の影響には注意が必要であるが、貸会議室・宿泊需要がともに好調であることや2025年2月期及び2026年2月期の新規出店・増床分の寄与が期待できること、リリカラ及びノバレーゼの通年寄与による上乗せ分を勘案すれば、売上高予想は明らかに保守的な水準であると弊社では見ている。また、利益予想についても、のれん償却費や出店費用等のコスト要因が想定されるが、費用を大きく見積もり収益を固めに見た水準であると判断している。したがって、2025年2月期に苦戦したリリカラの業績の回復や計画には織り込んでいない。グループシナジーなどが早期に実現すれば、業績の上振れ要因となる可能性も十分にあるだろう。いずれにしても、拡大する需要の取り込みやダイナミックプライシングの導入などにより、貸会議室・宿泊がともに足元好調に推移しているようであり、第1四半期の業績の出方に注目したい。また、fabbitを活用したフレキシブルな出店戦略が、今後の出店ペースや「坪当たり売上高」に及ぼす影響をはじめ、中長期的にどのように発展を遂げるのか、シェアオフィス・コワーキングスペース市場自体がこれまで混沌としてきただけに、M&Aの可能性も念頭に入れながらフォローする必要があろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 TKP Research Memo(7):2026年2月期も増収増益基調が継続。グループシナジーの実現にも取り組む