a) 商品の品質を損なわず、長期にわたり維持できる設備と技術 同社は顧客から預かった食品を高い品質を維持したまま保管している。これを可能にしているのが、独自の冷蔵冷凍技術と保管システムだ。同社は「自然対流冷却方式」という冷却方式を大手で唯一採用している。これは天井を冷やし、自然対流を起こすことで倉庫全体を冷やす方式で、食品の一部分に冷風が当たることで発生する冷却ムラや冷凍焼けを防止する。さらに湿度や温度の変化を一定に保てるため品質保持にも最適で、水産品の保管において効果を発揮している。
b) 顧客ニーズに合わせた最適な物流サービス 冷蔵倉庫事業においては、顧客のニーズに合わせた最適な物流アウトソーシングサービス、最新の物流情報を迅速に提供するICTサービスも手掛けている。物流アウトソーシングサービスでは、通関から保管・配送までのプロセスにおいて、多様なサービスを提供している。これら多様なサービスを顧客のニーズに合わせて組み合わせることで、業務効率の改善と物流コストの削減に寄与している。加えて、高度なサービスとシステムの融合、経験豊富なスタッフにより、ジャスト・イン・タイムの物流を実現している。
ICTサービスでは、顧客のニーズに対応した各種ICTサービスを提供している。同社ICTサービスの特徴はメインシステムの自社開発にあり、顧客の幅広いニーズにも柔軟に対応可能である。加えて、システムの堅牢性確保にも注力しており、BCP(事業継続計画)の観点からホストコンピューターのデータセンター化を行うとともにデータバックアップ機能を充実させている。ICTサービスではYIS(YOKOREI Information System:ワイズ)サービスとEDI(Electronic Data Interchange)サービスを提供している。YISを利用することで、顧客はインターネット経由で入出庫実績、通関状況、在庫情報をリアルタイムで確認できる。重量情報が直接基幹データベースにリアルタイムでアップデートされるため、不定貫貨物を取り扱っている顧客もタイムリーに重量把握が可能になる。加えて、顧客の利便性をさらに高めるためにメールによる不足分の自動通知、入出庫のオンライン予約など、順次サービスの拡充に努めている。EDIサービスでは、顧客のニーズに合わせて40数社とEDIで取引しており、送受信しているデータの種類は、入・出庫依頼データ、入・出庫実績データ、在庫報告データ、請求データなどである。また、顧客の希望に応じて、指定フォーマットの帳票や専用用紙の帳票の発行業務も行っている。現在稼働しているEDI手順は、JX、ebxML、FTP、SFTPの4種類である。同社では自社開発である強みを生かし、EDIサービスによって顧客の業務効率化を支援している。