なお、アスアは、創業当初からの事業として一般企業を対象とした企業向け通信・OA機器の販売・工事・保守・コスト削減などのコンサルティングを実施する通信ネットワークソリューション事業を手掛けているほか、現在は「TRYESコンサルティング」×「TRYESクラウドサービス」で物流会社の安全活動等に関するコンサルティングを中核事業としている。前期(2024年6月期)の売上高のうち、コンサルティング事業が51.6%、通信ネットワークソリューション事業が25.0%、安全活動をメッセージングサービスで支援するCRMイノベーション事業が23.4%を占めている。 1993年の設立当初はガス漏れ警報器の取付け業務に加え、通信ネットワークソリューション事業が主要業務であったが、1998年には燃費改善製品販売事業を開始(現:コンサルティング事業)、2006年には燃費を向上させると事故率が半分に減るという公益社団法人自動車技術会春季学術論文「エコドライブ活動による燃費改善と交通事故の低減」を発表、現業容での飛躍のきっかけをつかんだ。2014年にはトヨタ自動車よりエコドライブを支援するメッセージ開発を受託(現:CRMイノベーション事業でトヨタ自動車とのエコ・安全運転メッセージ、あいおいニッセイ同和損害保険との安全運転支援メッセージ、トヨタモビリティパーツ自動車販売店向けシステムとのAI車検見積購買アシストメッセージなどをてがけている)、2020年にはコロナ禍で対面営業ができないことから安全活動支援の定額クラウドサービス「TRYESレポート」をリリースして現業容を整えた。過去には燃費改善製品よりコンサルティングが有効という結果が出て、燃費改善製品を回収、現業容を整えるまでは大きな苦労があっただろうが、それを成し遂げる組織力を持っている。 アスアは、給油ごとの燃費データ4,000万レコードからなる燃費データベース、軽微な事故から重大事故まで約4万件の事故情報からなる事故データベースを保有しており、データ分析を活用した安全活動をアウトソースできることが強みとなる。TRYESサポート(対面型コンサルティングサービス)、TRYESレポート(安全活動支援の定額クラウドサービス)は、ほぼすべてがストック売上高であり、TRYESサポートの解約率も0.42%(2024年6月期)と極めて低い。低コストで汎用性の高い安全教育支援のクラウドサービス、コネクティッドデータを解析してドライバーへOne to Oneメッセージングサービスを提供できることも特徴だろう。