(2) SECURE AI STORE LAB 2.0 2023年7月にオープンした「SECURE AI STORE LAB 2.0」において、レジレス・無人店舗を開業以来、ハード面、ソフト面の実証を重ね、処理の精度向上に努めてきた。開業から1年が経過した2024年7月時点では、取り扱いSKU※1数は開業当初の2倍となり、決済精度※2は99%を超えている。また同店舗では、ウォークスルー型店舗の商用化に向けた共同実験を、東日本電信電話(株)グループのテルウェル東日本(株)とともに行ってきた。無人店舗を適正価格で開発するためのノウハウ蓄積を目的とし、無人決済や棚割り解析などの実証実験を流通小売業界に先駆けて実施している。ほかにもミニストップ<9946>と協業し、「ミニストップポケット サンイースト辰巳店」においてウォークスルー型店舗の実証実験を2024年7月~12月にかけて実施しており、同社は主にシステム面を検証した。2024年8月にはイオンモール<8905>と協働で、最新のデジタル技術を活用した、完全レジレス・無人店舗の実証実験を「イオンモール羽生」にて開始した。このようにビジネスビル内店舗や、コンビニエンスストア、ショッピングモールと店舗形態を変えて実証実験を行う理由は、それぞれの利用顧客層が異なるためだ。イレギュラーなデータを含め、様々なバリエーションの購買データを検証することでソフトウェアの精度をさらに高める作業を進めている。今後の課題はハードウェアのコストと決済手段の多様化である。コストに関するネックは、必要不可欠かつ高価なGPUの実装で、低減が課題となっている。決済手段については、利用者はアカウントに決済用クレジットカードを事前登録しなければならない等利便性を欠くため、手続きの簡素化や電子マネーの導入等、改善策を検討している。
(3) NVIDIAパートナーネットワークへの参画 同社は2024年4月、NVIDIA Partner Network(NPN)に参画したことを発表した。同社の「SECURE AI STORE LAB 2.0」では、2023年に業務提携した米国AiFiの技術を活用し、ネットワークカメラの映像を独自のAIで解析しているが、NVIDIAのGPUを搭載したリアルタイムの画像認識とAIを使うことで、インストアアナリティクスを実現できた。同プログラムに参加することでNVIDIA製品の調達力を強化できるほか、新しいGPUアーキテクチャーや計算リソース設計、スループット設計といった高度な技術レベルのサポートを受けることができる。「SECURE AI STORE LAB 2.0」実用化のほか、AI技術を活用した新サービス提供に向けてこれらサポートを受けることで、独自のAIビジョンシステムの構築や、付加価値の高いサービス開発をさらに加速させることが可能になると考えられる。スマート・ビデオ分析に使用される「NVIDIA Metropolis プラットフォーム」を活用した新たなソリューションとして、省人警備・省人運営を実現させる新サービスの開発を開始したほか、NVIDIAのGPU活用かつCIAとの協働によって、小売業界における人手不足や万引きによる商品ロスを解決するためのAI学習モデルの開発に着手している。