*11:01JST システムサポート Research Memo(1):マルチクラウドに対応可能な高い技術力を強みに高成長が続く見通し ■要約

システムサポートホールディングス<4396>は、業界トップクラスの技術力を強みに各種クラウド基盤やERP、データベース等の導入・利用支援を中心に成長を続ける独立系IT企業である。本社は石川県だが事業活動の中心は東名阪で、北米にも子会社を置いている。データセンターサービスやクラウド(SaaS型)サービスで提供する自社プロダクトなどストック型ビジネスにも注力している。機動的かつ柔軟な意思決定を可能にするグループ運営体制を構築すべく、2025年1月に持株会社体制に移行した。これにより、さらなる成長を目指す。

1. 2025年6月期中間期の業績概要
2025年6月期中間期(2024年7月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比22.8%増の13,060百万円、営業利益が同37.4%増の1,214百万円といずれも期初計画(売上高12,644百万円、営業利益1,063百万円)を上回り、過去最高業績を連続更新した。企業のDX需要の高まりを背景に主力のクラウドインテグレーション事業の売上高が同39.7%増と高成長を継続し業績のけん引役となった。ServiceNow※関連だけでなく、各種クラウド基盤サービス(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud等)の移行・利用支援などマルチクラウドに対応できる高品質なサービス提供体制の強化を進めてきたことが高成長につながっている。

※ 米国ServiceNowが提供する、業務プロセスの標準化・自動化を行い、従業員・組織の生産性向上を支援するクラウドプラットフォーム。DXソリューションとして欧米だけでなく日本でもここ数年で急速に普及している。同社は日本企業として2015年にいち早くパートナー契約を締結し、国内でトップクラスの導入実績を持つ。

2. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の連結業績は、売上高で前期比20.8%増の26,603百万円、営業利益で同31.7%増の2,200百万円と期初計画(売上高26,087百万円、営業利益2,115百万円)を上方修正した。企業のDX需要は足元も依然旺盛で、人的リソース次第で売上を伸ばせる環境が続いている。2025年4月の新卒入社予定は136名と期初予定を若干上回る見込みで、キャリア採用についても計画を上回るペースとなるなどサービス提供体制の強化についても順調に進んでいる。中間期の業績進捗率は売上高で49.1%、営業利益で55.2%と直近3年間平均(売上高48.1%、営業利益51.2%)※1をやや上回るペースとなっていることや足元の受注環境も考慮すれば、通期業績はさらに上振れする可能性は十分にあると弊社では見ている。なお、2024年7月に実施した2件のM&A※2による業績への影響額は、売上高で10億円程度、営業利益はのれん償却額など関連費用を含めれば軽微と見られる。

※1 22/6期~24/6期の中間期合計値÷通期合計値で算出。
※2 ERP導入支援やXRソリューションを展開する(株)コミュニケーション・プランニングを子会社化したほか、米子会社STS Innovation, Inc.がMultiNet International Inc.からSI、DXコンサルティング、クラウド関連サービス事業を譲受した。

3. 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)では最終年度の業績目標として、売上高31,709百万円、営業利益2,798百万円を掲げており、初年度は順調な滑り出しを見せている。重点施策として、「顧客・社会のDX推進の基盤となるサービスの拡充」「多様な人材の成長と活躍」「サステナビリティ経営の強化」に取り組んでおり、今後もエンジニアの採用・教育を強化しながら、高成長が続くクラウドインテグレーション事業を中心に伸ばしていく計画だ。エンジニアのリソース強化策として、M&Aも積極的に活用しながら効率的に進める考えのようで、今後の動向が注目される。

■Key Points
・2025年6月期中間期は期初計画を上回る2ケタ増収増益を達成
・2025年6月期業績は上方修正するも、受注環境良好で上振れ余地あり
・クラウドインテグレーション事業をけん引役として年率2ケタ台の増収増益ペースが続く見通し
・累進配当方針により、株式上場以来6期連続の増配を予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 システムサポート Research Memo(1):マルチクラウドに対応可能な高い技術力を強みに高成長が続く見通し