(2) 新規顧客獲得 直販と並んで同社の主要な顧客獲得ルートである提携先等のパートナー企業と共同で拡販体制を構築することで、迅速な新規顧客獲得と案件推進を目指す。パートナー関係にある企業は、商社、広告、金融、IT、小売、プラットフォーマー等、多くの顧客接点を持つ業種に属している。同社サービスのメリットを熟知したパートナー企業を味方に、パートナー企業が強みを持つ業種の企業に対してアプローチすることで、サービスの有効性をアピールする。パートナー企業とは業務提携等で様々な取り組みを進めている。2023年8月には、三菱食品と資本業務提携し、双方の事業加速に向けて、購買・人流・メディア接触データを統合したデータ基盤とリテールメディアプラットフォームの共同構築を推進している。2024年4月には(株)SalesPlus、(株)電通とテレビCM接触者の来店・購買を計測・分析し、メディアプランニングをサポートする「TV de Sales+」の提供を開始した。各業界の有力企業と提携を推進することで、提携先の取引企業等が同社のサービスに関心を寄せ、顧客開拓が進むであろう。その他のパートナー企業においても、専担チームを組成して同社サービス内容の理解を深め、同じ目線でビジネス展開するなど施策を展開しており、引き続きケーパビリティの高いパートナー先を重要ターゲットに据え、提携先の拡大を目指す。顧客企業のニーズは多岐にわたることから、まずは各企業が属する業界の課題を理解し、同社サービスを熟知するパートナー企業の支援を受けることで、効果的な提案を実現する考えだ。これにより顧客企業数を増加させ、リカーリング顧客化してクロスセルやアップセルを行い、顧客単価の向上を図る計画である。
(3) リカーリング顧客化・単価向上 リカーリング顧客化や単価向上に向けた仕組みの面からの強化策として、フライホイールプロダクト戦略を推進する。同社のリアル行動ビッグデータプラットフォームであるBeacon Bankを基盤として、各サービスを支えるプロダクトを連携する仕組みを強化する。現状では、新規顧客に対してまずは分析・可視化サービスを利用してもらい、その後リカーリング顧客化した先に対して行動変容サービスやOne to Oneサービスのクロスセルやアップセルを行って顧客単価を高めている。今後についてはフライホイールプロダクト戦略として、Beacon Bankを基盤に3つのサービスを連携して高速に回転させると同時に、Beacon Bankの基盤拡大にも寄与する仕組みを構築する。分析・可視化サービスで新規ユーザー情報を取り込み、集客課題に取り組むなか行動変容サービスをクロスセルして顧客価値を拡大し、顧客の囲い込みを図る。さらにOne to Oneサービスで顧客体験を最大化することで重要顧客の定着化を図り、顧客単価の向上を実現する。その結果、Beacon Bankのビッグデータも成長し、新たに収集したデータから顧客の課題を発掘して分析・可視化へとループし、取引を拡大する考えだ。この仕組みで、顧客企業への提供価値拡大と同社業績拡大を同時に達成する。