1. 2024年6月期の業績 2024年6月期の業績は、売上高2,834百万円(前期比36.5%増)、営業利益179百万円(同409.3%増)、経常利益134百万円(同286.5%増)、当期純利益68百万円(同629.5%増)と増収増益で着地した。期初計画に対する達成率は、売上高は97.8%とわずかに未達となったものの、売上総利益は103.6%、営業利益は153.0%、当期純利益は104.6%と計画を達成した。売上高の90%を占めるリカーリングの顧客数が堅調に伸び、前期比31社増の109社となったほか、リカーリング顧客に対するクロスセル施策を着実に実行したことで、年間顧客単価23百万円、NRR124%と、前年度同水準の高いレベルを維持し、売上増に寄与した。事業別に見ると、主力の小売・外食産業向けのリテールDX事業で顧客獲得が堅調に推移し、前期比15%増の2,025百万円を計上した。不動産・自治体・官公庁向けのスマートシティ事業は前期比129%増の519百万円を記録した。全国の自治体が行う街づくり関連等の事業を調査して同社サービスを積極的に提案した結果、公募案件の獲得が進み、売上面に大きく寄与した。また消費財メーカー向けのリテールメディア事業は、業務提携先や直販での受注が堅調に伸び、前期比288%増の283百万円となった。サービス別では分析・可視化サービスが大きく伸長し、売上高は870百万円(前期比45.5%増)となったほか、行動変容サービスの売上高は1,191百万円(同36.4%増)と成長した。One to Oneサービスの売上高は773百万円(同27.8%増)と前期比増加した。
同社はリカーリング顧客について、4四半期以上連続して取引のある顧客企業、及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業と定義し、KPIとしてリカーリング売上高やリカーリング顧客1社売上高、リカーリング顧客数を設定している。大半の新規顧客が翌事業年度にリカーリング顧客となることから、1年契約が基本の分析・可視化サービスで獲得した新規顧客に対し、行動変容サービスやOne to Oneサービスのクロスセル、及び行動変容サービスのアップセルを展開し、リカーリングを生み出す収益モデルを構築している。新規顧客獲得ルートについては、直販、提携先からの紹介、トップリレーションによる取引の3パターンが主である。従来は各種イベント開催やマーケティング活動など直販での顧客開拓が多かったが、2024年6月期は提携先を通した紹介と協働による顧客開拓が成果を挙げた。提携先企業は同社のサービス内容を熟知していることから、見込み客を効率的に開拓でき、今後の売上増加に対する期待は大きい。