*09:23JST ファーストアカウンティング:会計AIで利益の立ち上がり期、機関投資家の注目も増す 会計分野に特化したAIソリューション事業(経理AI事業)を展開するファーストアカウンティング<5588>が8月14日に発表した2024年12月期の中間期決算(累計)は、売上高が前年同期比40.5%増の785百万円、営業利益が同77.0%増の99百万円となり、事務所移転費用37百万円をこなして大幅増収増益となった。

MRR(Monthly Recurring Revenue、月間固定収入)で全体の83.9%、処理件数に応じた従量課金で同11.8%を占めており、安定的かつ利益率が向上しやすい収益構造となっている。販売も会計ベンダー(OEM)、大企業(販売パートナー経由)、大企業(直接販売)ともにバランスよく伸長。ERP最大手であるSAPがアライアンスパートナーとなったことで、販売チャネルがこれまで以上に拡大することも期待される。ARPA(1アカウントあたりの平均収益)も新規開拓が進んでいる状況下、アップセル・クロスセルが寄与する形で引き続き100万円前後をキープ。解約率も0.5~1.5%の範囲内での推移となった。年間定期収益(ARR)は1,581百万円(年間平均成長率45.8%)と順調に積み上がっている。

2024年12月通期の業績予想は、売上高で34.2%増の1,653百万円、営業利益で同32.4%増の167百万円。AI学習サーバへの追加投資や人材投資のため、通期予想は据え置きとなっているが、中間期までの営業利益の予想に対する進捗率は既に59.6%と高水準。なお、同社はストックビジネスであるため、業績に大きな季節変動がない。

同社の時価総額105億円と比して、外国法人・機関投資家の比率は比較的高いと思われる。順調な業績もさることながら、利回りは高くないものの配当が既に実施されており、配当の有無が基準になる投資家の取り込みに成功しているのだろう。また、指名報酬委員会の設置が進むなど、将来を見据えた体制も評価されているものと想定される。中長期の目標としては28年までに売上高100億円、営業利益率10%の達成を掲げている。

なお、同社のサービスは、AI-OCR関連及び会計仕訳等のアルゴリズムをモジュール化したRobotaシリーズと請求書処理に特化しユーザー操作画面(GUI)を持つRemotaというプラットフォーム、そしてデジタルインボイスの送受信を行なうPeppolアクセスポイントサービスを中心に構成されている。

Robotaシリーズの特徴としては、定型フォーマットの書類だけでなく非定型フォーマットや手書きの書類に対しても高い読取精度を実現していることがあげられる。また、読み取った文字や数値を入力するだけでなく、証憑画像を振り分けたり、台紙に複数枚貼られた証憑を切り取ったりする機能や、読み取った内容が合っているかチェックする機能も有し、経費精算や請求書支払の突合業務においても利用することができる。経理業務自動化のニーズに合わせ、必要な製品を選択し、組み合わせ可能である。SaaS型のクラウドサービスであり、課金体系は、原則として1年以上の月額課金(MRR:Monthly Recurring Revenue)と読み取った帳票枚数に応じて変動する従量課金で構成されている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ファーストアカウンティング:会計AIで利益の立ち上がり期、機関投資家の注目も増す