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ラクスル事業は、「印刷のシェアリングプラットフォーム」に始まり、現在では多様なB2Bの間接材調達・集客支援等のプラットフォームを提供する事業となっている。同事業は、印刷・ソリューション領域(第三四半期単体の売上高に対して39.5%)、ビジネスサプライ・周辺領域(同36.6%)、包装材領域(同15.5%)の3つに分類されており、印刷領域だけでなく顧客がオフィスや店舗で使うモノ、その他サービス等にも拡大している。事業を拡大した現在は、大企業向けサービスやノベルティ、ポスティング、DM、梱包材の領域に注力。ラクスルの累計登録ユーザー数は263万ユーザーとなっている。
24年7月期第3四半期累計の売上高は前年同期比24.7%増の375.5億円、営業利益は同50.2%増の21.9億円で上半期の同35.7%増から一段と増益率が拡大している。3月の修正計画に対して若干上振れペースでの推移ともなった。ラクスル事業では、連続的な買収を通じて法人や個人事業主を中心に購入ユーザーが積みあがっているなか、法人向け印刷販促管理サービス「ラクスルエンタープライズ」が導入企業が2,000社を突破するなど拡大しているようだ。ノバセル事業は、SaaS事業が好調なほか、年間利用社数が同17.8%増と344社になった。また、成長機会に対する投資を実行しつつも利益還元の開始が可能と判断したことで、期末に1.7円の配当を実施することも発表。なお、通期の売上高は前期比23.6%増の507億円、営業利益は同30.3%増の23億円を見込んでいる。
同社は、中期計画を開示しており、2027年7月期にかけてCAGR目標として売上総利益 で20%成長、EBITDAで30%成長を掲げ、2027年7月期に売上総利益300億円、EBITDA100億円を目指している。物販領域への拡張に加えて、ラクスル顧客に対する広告サービスの拡充を開始しており、ラクスル事業とノバセル事業の相乗効果にも期待ができる。今後は連続的なM&Aや事業成長を牽引する投資を優先しつつ、今後5年間で事業で創出するキャッシュの10%、25億円を下限とし自己株取得を中心に株主へ還元していくようだ。また、自己株式取得を主な手段とすることは変わらないが、継続的な配当も行っていく。業績の2ケタ成長が続くなか、中小企業と個人事業主を主体とした260万ユーザー以上のラクスル顧客基盤に対して更なる利便性を提供していく同社の今後の動向に注目しておきたい。
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