鍵盤楽器の売上高は前年同期比2.4%減の5,461百万円であった。電子ピアノは、コロナ禍を契機とした非常に高い需要の落ち着きに加え、物価高、ディーラーの在庫調整等の影響を受けた。主な新製品として、ホームピアノでは「LX-5」「LX-6」「LX-9」を発売した。従来のモデリング音源をゼロから刷新した最新のモデリング音源を搭載しており、最新技術「ピアノ・リアリティ・テクノロジー」により、音、鍵盤、ペダル、サウンド・システムといった基本性能すべてにおいてクオリティが大幅に向上した。同社オリジナルの無料アプリ「Roland Piano App」にも対応している。また、中期経営計画でポータブル・キーボード市場への本格再参入を掲げていることから、「GO:KEYS 3」「GO:KEYS 5」を発売した。パソコンやスマートフォンと連携した演奏や楽曲作りにも対応しており、「Roland Cloud」から音色と伴奏スタイルの追加購入も可能である。また、音楽レッスンアプリ「Melodics Essentials for Roland」にも対応している。なお、両製品の売上貢献は第2四半期以降に本格化すると見込んでいるようだ。鍵盤楽器全体への売上貢献は大きくないものの、エントリー層の開拓や新興国でのシェア拡大に向けて中長期的に重要な製品であると捉えている。