*17:00JST SBSHD Research Memo(10):3PL、EC物流、国際物流に注力、高成長を目指す(2) ■SBSホールディングス<2384>の中期経営計画

(2) 物流事業基盤の整備・拡充
3PL、EC物流、ラストワンマイルなど、物流事業を支えるインフラ(物流施設、輸配送ネットワーク、人財)を強化する。物流施設の運営面積は2023年12月末の96.8万坪に対して、計画中の案件を含めると121.4万坪までの用地を確保済みとなっている。面積ベースでは1.25倍の拡大余力があり、運営面積と比例して売上高が伸びると仮定すれば、これら計画中の物流施設がすべて稼働すれば、物流事業の売上高は前期実績の1.25倍増となる5,100億円が視野に入ることから、2025年12月期の売上目標4,681億円も通過点と言える。また、輸配送ネットワークの拡充については、国内のEC物流網の全国展開や、冷凍・チルドBtoB全国配送網の再構築(SBSフレックで一宮センター、厚木センター(仮称)を2024年に開設)、幹線ネットワークとラストワンマイル網を強化する。人財については採用強化に加え、リスキリングやグループ内人事交流などを行い、リソースを拡充する方針だ。

(3) LT×IT=物流DX
同社は、「LT×IT」を推進することで業界トップクラスの省力省人化を実現し、収益性の向上を目指す。2022年12月に先端LT検証施設「LTラボ」を開設し、国内外から取り寄せた次世代ロボットの動作検証やデータ収集を行い、導入効果が期待できる次世代ロボットについて、各拠点で実際に稼働させデータ収集を行っている段階にある。

現在の導入状況としては、12種類のLT機器(棚搬送ロボット227台、ソーティング48台、搬送36台、梱包1台)を12の物流拠点で運用している。なかでも「物流センター一宮」ではグループ最大規模となる176台の棚搬送ロボットが稼働しており省人化に貢献しているようだ。今後もこれはLT機器を積極導入する予定で、当面は生産性を庫内作業者と同等水準まで引き上げることを目標としており、収益性の面で導入効果が顕在化するのは2025年12月期以降となる見通しだ。

(4) サステナビリティ経営基盤の強化
同社はサステナビリティ経営を支えるガバナンスの強化と、「安全、環境、人財」の3分野における重要課題(マテリアリティ)に取り組むことで、持続可能な社会の実現と企業価値の両立を目指している。マテリアリティのうち、「安全」では重大事故ゼロを目標に、安全・安心な物流サービスの提供を実現すべく、運輸安全マネジメントの推進や安全教育カリキュラムの実施に取り組む。「環境」では、電気自動車の導入や燃費改善に向けた取り組みのほか、「LT×IT」を活用し効率化された物流施設を開発することで温室効果ガスの排出量削減を目指す。電気自動車については、商用型バンを2023年12月期末までに19台導入し試験運用を進めてきたが、2024年12月期は約100台導入する計画だ。

「人財」の育成に関しては、グループ各社混成での研修や戦略部門への登用を実施し、各社の強みをグループ内へ水平展開し、グループ総合力の強化を図っている。また、運転手不足が業界で課題となっているが、同社においては未経験者採用も視野にいれ、グループ会社の自動車教習所で免許取得支援やトレーニングを行うなどして運転手の増強を図ろうとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 SBSHD Research Memo(10):3PL、EC物流、国際物流に注力、高成長を目指す(2)