(2) 人的資本 同社グループは、「ALL HAPPY BY DESIGN」という経営理念を掲げている。この理念は、デザインの力を通じて世界に幸福の循環をもたらし、社会に貢献することを目指している。具体的には、ヒューマン・エクスペリエンス(HX)を向上させる空間の創造を通して、この理念を実現しようとしている。デザイン事業を核とする同社グループにとって、事業を牽引するのは「人」そのものである。
持続的な成長と「ALL HAPPY BY DESIGN」の実現には、3つの要素が不可欠である。まず、「社員自身が幸福であること」、次に、「多様性が確保されていること」、そして、「経営理念に共感し、企業文化を継承できる人材の育成」である。
a) 社員自身が幸福であること 幸福の基準は個人によって異なるものの、働く環境は全員にとって重要な要素である。この認識のもと、社員が心地良く、効率的に働けるオフィス環境の整備に力を入れている。2022年12月には、社員のコミュニケーション促進と企業としての一体感醸成を目的として、代表の山下氏が自らデザインした視覚的にも優れた新しい本社オフィスへの移転を実施した。この移転により、物理的な空間にも余裕を持たせ、より良い執務環境を提供している。
b) 多様性が確保されていること 同社グループは、市場において際立ったデザインを提供し続けるためには、多様な才能と能力を持つ社員が自らの個性を活かし、クライアントのニーズに応えることが極めて重要であると考えている。創業以来、社員の能力と成果を基準に、人材を適切に配置し活用してきた。このアプローチにおいて、性別、年齢、国籍などは一切の障壁とならず、すべての社員が平等に評価され、その潜在力を最大限に発揮できる環境を整備している。
c) 経営理念に共感し、企業文化を継承できる人材の育成 同社グループは、企業成功の基盤となる経営理念や企業文化の浸透に注力をしている。創業者であり代表者の山下氏自らが、この重要なミッションをリードしている。山下氏は、経営理念と企業文化が全社員に深く根付くよう、日々のコミュニケーションはもちろん、定期的な全社集会、年始のキックオフイベント、及びそのほか多くのイベントを通じて、文化の浸透と経営方針の共有に努めている。