1. 沿革 ティアンドエス<4055>は2016年11月、1996年創業の(株)テックジャパンと1985年創業の(株)シナノシステムエンジニアリングが合併してできた比較的若い企業である。代表取締役執行役員社長の武川義浩(たけかわよしひろ)氏の同業界における30年以上の経験と、そのなかで培われた東芝グループをはじめとする顧客との強固な信頼関係によって、創業以来右肩上がりで成長してきた(武川氏は、東芝グループが手掛けた原子力発電所のシステム開発に従事していた経歴を持つ)。創業以来の売上高平均成長率(CAGR)は10.4%と高い成長率を誇っている。将来の成長加速に向けて研究開発活動にも注力しており、2019年には東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターと、スピントロニクス技術を用いた次世代メモリの制御、応用ソフトウェアに関する共同研究を開始した。2020年8月には設立からわずか4年弱で東京証券取引所マザーズ市場に上場を果たしている(2022年4月に東京証券取引所の市場区分見直しによりグロース市場へ移行)。また、2024年1月には持株会社体制への移行を決定した。最終的には、複数の事業子会社を持株会社が束ねる体制によるさらに機動的できめの細かい経営を実現し、新規事業創出やM&Aを推進する方針だ。持株会社体制への移行に伴い、2024年6月1日よりティアンドエスグループ株式会社(T&S Group Inc.)へと社名変更する予定である。