同社のクラウド・IoT分野全体を包括するデータコントロール事業の売上は、安定した完全ストック型ビジネスの継続課金売上と一時的なスポット売上で構成されている。当年度も、月額課金案件の受注獲得を推し進め、前年同期比で月額課金売上は1.95億円純増した。これにより、上場以来36四半期連続で過去最高の月額課金売上のプラス成長となり、極めて堅調に推移している。なお、先行投資は、過去最高額の投資を継続して実施しており、政府主導の観光支援関係の大型案件が終了したものの、営業利益、経常利益は堅調な増加となった。 昨今、IoT市場では、製造機器のサブスクリプションといえるEaaS(Equipment as a service)が注目を集め、大量生産・大量出荷型モデルからの転換が起こり始めている。同社は、来るべきデジタルユニバース時代における中心の1社に位置することを目指し、IoTエンジン「NEQTO」関連技術をベースに、ライセンス及びOEM提供と普及を進めており、MLB(米国メジャーリーグベースボール)チームであるサンディエゴ・パドレスの本拠地であるペトコ・パーク(PETCO Park)への同社技術の正式導入等、多様な取り組みが実施されている。加えて、サービスの迅速な市場投入への機会を得るべく、IoTの世界標準化規格を管理運営する米国のConnectivity Standard Allianceに加盟し、それにより、最新のIoTコネクティビリティソリューションの提供とスマート化された効率的な製品・サービスの提供が可能となった。また、金融業界におけるデータコントロールサービスの需要の高まりを背景に、データコントロールサービスをグローバルに展開すべく、SBIグループ(SBIセキュリティ・ソリューションズ)と合弁会社の設立について最終契約締結に至った。さらに、東日本電信電話と業務提携し、スマートホームの世界標準規格「Matter」に対応したスマートホーム向けのゲートウェイ及びソフトウエアサービスの領域について共同サービス提供に向けた開発を開始し、両社による商用提供を目指していくとしている。 その他、クラウド市場や企業ニーズの拡大に対応すべく、AWSマネージドサービスプロバイダープログラム認定を取得し、各種クラウドを包括管理する「JIG-SAW PRIME」では、取引総額が10.88億円(前年同期比60.9%増)拡大した。 一方、今後の高い事業成長を実現すべく、同社の将来に向けた先行投資額は過去最高を更新し、前年同期比で約1.58億円増加となった。