(2) 基本戦略 a) 学びの個別最適化と教室力の強化 個別指導部門の収益回復施策として、学びの個別最適化と教室力の強化を推進し、学力向上と志望校への合格という顧客目標を実現することでブランド力を向上させ、生徒数の拡大につなげる。学びの個別最適化に向けては、2022年3月期より「城南コベッツ」において各生徒のニーズに合わせたオーダーメイド型の教育サービス「スタディ・フリープラン※1」を導入した。個々人に最適化した「本当の“個別指導”」を追求したことにより、学力の向上や志望校への合格実績が増えるなどその成果も見え始めている。2022年4月~8月に実施した生徒・保護者アンケートでは、「教室の指導に満足している、または非常に満足している」と回答した比率が98.9%に達し、受講生の93.5%の成績がアップ※2するなど高い結果が得られている。顧客満足度の向上で退塾率も改善傾向であり、今後は新規生徒の獲得数をいかに増やすことができるかが課題となる。小学生については「りんご塾」の導入などが施策の1つとなるが、そのほかの施策としては友達紹介や自社Webサイトの充実による問い合わせ件数の拡大に取り組む。
b) 付加価値の高い幼少教育事業の新展開 幼少教育事業では、STEAM※を中心とした複数の乳幼児教育サービスを提供する複合型スクール「城南ブレインパーク」をリブランディングし、運営のノウハウをパッケージ化して2025年3月期から全国にFC展開する予定だ。すでに複数の加盟候補企業と交渉中である。プログラムメニューは「くぼたのうけん」や「りんご塾」のほか、英語教育、プログラミング教室、暗算教室、絵画・造形教室など豊富に揃えている。曜日ごとに異なるプログラムを提供するなど多様なニーズを取り込むことが可能となるため、単一のプログラムをサービス提供するよりも収益化しやすいというメリットがある。
c) 教育格差を是正する教育ソリューション事業の積極的展開 同社はBtoBtoCのビジネスモデルとなる教育ソリューション事業を積極的に展開すべく、新たに「みんなにまなびをプロジェクト」を発足した。教育の地域格差や経済格差を解消し、あらゆる人に教育機会を提供するというコンセプトのもと、「安価」「オンライン」の要素を併せ持つ教育サービスを乳幼児から高校生向けに提供するプロジェクトである。その第一弾として、2023年10月にデジタル学習のポータルサイト「みんなのまなびライブラリー」をリリースした。