(1) セールスプロモーション事業 a) インクジェットプリント事業 主たる事業は、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装やカーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う、内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」である。短期間・高品質での納品を実現するために「業界最多クラスの出力・加工機を保有することによる生産力」「都心の利点を生かした機動力」「多様な案件を一元管理する統制力」「緊急案件に即時対応する瞬発力」「あらゆる課題に最適提案をする解決力」「業界の技術革新を常にリードする創造力」の6つの強みを有している。さらに2023年10月期からオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷などの少品種多量生産型の案件も取り扱う中量・大量産印刷部門の体制を整備した。新たに設備投資をせず、オフセット印刷などの生産能力を持つ協業先との連携体制を構築することによって受注案件の幅を広げている。
b) デジタルサイネージ事業(2024年10月期より「デジタルクリエイト事業」に名称変更) 従来のインクジェットプリント出力による製品販売の経験を活用し、販売促進用広告分野及び内装インテリア分野に対してデジタルサイネージ事業を展開している。販売促進用デジタルサイネージとして「商品棚をまるごと動画にする」というコンセプトの「デジ棚」、簡単に設置でき、かつエコな「リボ棚D」がある。同事業においては、多店舗のデジタルサイネージをクラウドで一括管理し、動画コンテンツを配信できるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)(以下、「BPクラウド」)の導入提案を積極的に行っている。CMSは月額定額のサブスクリプションモデルで安定した収益基盤となっているため、業績が拡大するにつれて同社全体の収益性も向上すると弊社は見ている。また、2024年10月期から、デジタルサイネージ事業をデジタルクリエイト事業に名称変更し、顧客の販促活動をDXするためのデモ用動画やARの作成をラインアップに追加した。
c) オーダーグッズ制作事業 オーダーグッズ制作事業は2022年12月に開始した新事業である。「オーダーグッズ」は、イベントのノベルティグッズや自社製品の販促グッズ、物販用のオリジナルグッズなどの用途で活用されている。近年では「自分だけの」「他にはない」ものを求める消費者の志向が強まり、小ロットでオリジナリティのあるグッズに対するニーズが高まっている。このような需要に対して、同社が保有する印刷ノウハウや印刷設備、さらにはインクジェットプリント事業において培ってきた小ロット多品種に対応できる生産能力を活用する方針だ。同社にとっては印刷設備や人員など既存リソースを活用することで、過度な投資を抑制しながら効率的に新市場を開拓できるというメリットがある。アパレル、ファブリック、皮革小物、日用雑貨などの商品に対応することを想定しており、イベント展示会でのサンプリング、キャンペーンでの販促グッズ、エンドユーザーへの来店ノベルティといった用途が見込まれている。