1. 2024年3月期第2四半期の業績概要 2024年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高6,976百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益798百万円(同68.2%増)と大幅な増収増益決算であった。売上高の増収は、好調なセンサ部門がけん引したことによる。また、営業利益の増益は、増収効果に伴う人件費などの固定費比率の低下によるものだ。事業部門別売上高では、センサ部門は、国内は半導体関連業界向け、海外は中国・韓国の電池関連業界向けが好調で、オーストリアAnton Paar GmbH(以下、Anton Paar)とのライセンス契約の一時金収受も寄与し、前年同期比22.7%増であった。システム部門は、国内は前期の受注高低迷の影響から、また海外は回復が限定的で、同27.0%減に留まった。サービス部門は、2023年1月に京浜計測(株)を完全子会社化して連結したこともあり、同10.9%増となった。以上の結果、自己資本比率は63.5%に上昇し、プライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均を上回る高い安全性を確保している。好決算を反映して、1株当たり中間配当金を当初計画の4円から7円に増額修正し、株主還元にも十分に配慮している。
2. 2024年3月期業績見通し 2024年3月期通期の連結業績予想については、保守的に期初の業績予想を維持し、売上高13,700百万円(前期比2.9%増)、営業利益1,120百万円(同1.3%増)としている。売上高については、上半期はAnton Paar とのライセンス契約が進捗率を押し上げたが、下半期は例年どおりを見込んでいる。営業利益については、材料費率の上昇や工事案件比率の増加に伴う利益率の低下を織り込んでいる。一方で、1株当たり期末配当を当初計画の5円から7円に引き上げ、年間配当も当初計画の9円から14円(同5円増)へと過去最高水準に修正したことは、株主への利益還元を重視する経営姿勢を示すとともに、通期業績見通しを達成できるとの自信の表れと見られる。