*12:02JST サークレイス Research Memo(2):本質的なDXを提案し実現するデジタルコンサルティング企業(1) ■事業概要

1. 会社概要
サークレイス<5029>は、本質的なDXを提案し実現するデジタルコンサルティング企業であり、付加価値の高い「コンサルティングサービス」事業と「プラットフォームサービス」事業を展開している。「コンサルティングサービス」事業における売上高のうち年商1,000億円以上の企業が多くの割合を占め、優良で安定した顧客基盤を有する。「コンサルティングサービス」事業では、クラウド活用による攻めのIT投資領域※に特化したコンサルティング及びシステム開発サービスを提供し、「プラットフォームサービス」事業では、カスタマーサクセス、エデュケーション、DXの3サービスを提供する。従業員数は前期末比24名増加の285名となった。

※「DX推進等による企業価値向上を目的としたIT投資領域」を指す。


2. 沿革
同社は、SFA(営業支援)、CRM(顧客管理)などの機能を中心に幅広く連携できる機能を備えたビジネスプラットフォーム「Salesforce」日本上陸を睨み、その需要増加のための人材育成のニーズを狙い、2012年にパソナグループ<2168>と当時シンガポールに拠点を置いていた投資会社Tquila International PTE Ltd.(現在の拠点はアイルランド)との合弁会社(株)パソナテキーラとして設立された。2013年よりエデュケーション事業、人材派遣事業、システム開発事業を同時に立ち上げ、2019年以降成長期に入る。2020年7月にサークレイス(株)へ商号変更し、2022年3月には経済産業省が選定する「DX認定制度※」の認定事業者として認定された。顧客のDX、そしてカスタマーサクセスの実現貢献のため、設立10年の節目2022年4月に東証グロース市場へ新規上場した。また、2023年6月には東証グロース市場上場企業でもある(株)ハイブリットテクノロジーズおよび(株)グロースリンクとの3社にて、ホーチミン市(ベトナム)に合弁会社「Circlace HT Co., Ltd.」を設立。ベトナムの人材リソース活用により、大型受託開発プロジェクトを推進することができる体制を構築した。

※「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」の基本事項に対応し、経営ビジョンの策定や戦略・体制の整備など、DX推進が整っている「DX-Ready」の企業を国が認定する制度。


3. 事業内容
同社は、「コンサルティングサービス」と「プラットフォームサービス」の2つの主力事業を有する。2024年3月期第2四半期の売上高構成比を見ると、「コンサルティングサービス」事業が63.1%、「プラットフォームサービス」事業が36.9%である。さらに「プラットフォームサービス」事業の売上高構成比を細分化して見ると、カスタマーサクセス27.8%、エデュケーションサービス4.1%、DX5.0%である。DX事業の売上高構成比は、前々期は3.0%、前期は3.9%、同第2四半期は5.0%と、割合としてはまだ小さいが着実に事業は拡大している。

(1) コンサルティングサービス
a) Salesforceコンサルティング
Salesforceは全世界で約15万社を超える顧客を持つが、このクラウド製品の構想策定、要件定義、構築・導入、保守・運用等のコンサルティングサービスを提供する。国内に数社Salesforceコンサルティングを行う企業があるが、ほとんどがシステムの初期導入サービスに特化しており、同社のように保守・運用、さらには人材育成や運用内製化支援までのサービスを包括して提供する企業は少ない。

b) Anaplanコンサルティング
Anaplanは、個々の組織でExcelを駆使して手作業で立案しているような計画について、ワークシートを共通化しデータを一元管理することで、標準プロセスの確立が可能になり、メールなどを利用したExcelのリレーから解放され、他部門の計画を参考にしながらプランニングに専念できる。同社は、Anaplanのノンカスタマイズの導入から顧客独自のアプリケーション開発・連携まで顧客の最適な環境を支援するコンサルティングを行う。

(2) プラットフォームサービス
同社が提供するサービスの中でもストック性の高いサービス(企業経営において基盤となり得る)をプラットフォームサービス事業としている。

a) カスタマーサクセス
Salesforceを主力とした、マルチクラウドに対応するカスタマーサクセスを提供する。サービス提供の方法は、1)チケット制によりプラットフォーム上で内製化をサポートする「サブスクリプション型」、2)複数チーム制によるリモート支援を行う「準委任型」、3)Salesforceに精通したエキスパートを専任で派遣する「派遣型」がある。現状の戦略として、「派遣型」を大幅に減らし、リモート支援を中心とした「サブスクリプション型」「準委任型」による「デジタル型コンサルティング」を主流に置くことで、競合他社との差別化を推し進めている。

b) エデュケーション
設計から最終的なリリースまでアプリケーション開発ライフサイクルについてプロセスを学習する18コースの(株)セールスフォース・ジャパン認定トレーニングサービスを開講し、加えて2023年11月からは、1つのプラットフォームで複数のサービスにおけるデータ連結と基盤運営を実現するiPaaSサービス「MuleSoft」の認定トレーニングサービス2コースも提供している。2017年から2023年9月までに同社のトレーニング受講者数は7,600名(前年同期までは6,400名)を超える。

c) DX
統合型デジタルコミュニケーション・プラットフォーム「Circlace(R)」、海外駐在員の煩雑な管理を解決するクラウドサービス「AGAVE」をSaaSとして自社開発・販売すると同時に、同プラットフォームを活用して業務の効率化や付加価値向上を高めるコンサルティングサービスを提供することにより、非基幹系システム領域においても顧客のDX実現を支援している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 サークレイス Research Memo(2):本質的なDXを提案し実現するデジタルコンサルティング企業(1)