*15:37JST IXナレッジ Research Memo(7):社内スポーツ交流イベントを通して人的資本経営を実践中 ■中期の戦略・トピック

アイエックス・ナレッジ<9753>では、3ヶ年の中期業績目標を掲げ、随時ローリングしている。2026年3月期の業績目標は、売上高で24,547百万円、営業利益で1,832百万円を掲げており、3期間の売上高成長率で年6.7%、営業利益成長率で年7.9%となる。売上高営業利益率は7.5%を目指す。

中期経営戦略の1つとして、「人的資本」を大切にし、能力を最大限引き出すことを目的とした「人財戦略アクションプラン」がある。これは、(1) プロフェッショナル人財育成・リスキリング、(2) ダイバーシティ&インクルージョン推進、(3) エンゲージメント&職場環境向上、の3つの柱から成り立っている。同社ならではの取り組みとして、スポーツ交流イベントを通じた健康経営の取り組みがある。

(1) 社内スポーツ交流イベントを通して人的資本経営を実践中
同社は、従業員ひとり一人には十分な能力や個性があり、それを最大限引き出すのが会社である、という信念のもと「人的資本経営」を行っている。システム関連の業務の特性として、大型で長期の案件が少なからずある。このような案件の場合、マンネリ化や個人のポテンシャルが十分発揮されない懸念がある。同社では人事ローテーションや社内教育プログラムを用意し、リスキリングの環境を提供している。また、同社は女性従業員や、外国人(国籍は中国、韓国、台湾、ミャンマーなど)も積極的に採用し、多様な人材の個性に配慮しニーズに耳を傾けている。システム関連業界の課題としては、メンタルヘルスの問題がある。また、近年の新入社員は、コロナ禍での学生生活が長く、リアルなコミュニケーションを求めるニーズが高い。同社では、心の健康は体の健康や人間関係の健全性とも関連しているという考えのもと、スポーツを主体とした交流イベントを積極的に実施してきた。2024年3月期に入ってからも、スナッグゴルフ、フットサル、ウォーキングなどの交流イベントを実施し、下期にもボウリングなどのイベントが予定される。人を大事にする「人的資本経営」を継続してきたことは、採用数の確保や離職率の抑制につながっている。

(2) M&Aで子会社化したシーアンドエーコンピューターと商業施設等でのAI活用共同研究をスタート
同社は、2023年2月にシーアンドエーコンピューターの全株式を取得し子会社化した。シーアンドエーコンピューターは、土木建築業界に精通したノウハウを持ち、業界特有の「原価管理」や「CAD」、「配線管理」、「購買EDI」、「橋梁管理」、「工事写真台帳」といった専門的なシステム開発を行い、戸田建設をはじめとするゼネコンや土木コンサルタント会社、コンクリート部材会社などに提供している。シーアンドエーコンピューターの土木建築業界ノウハウと、同社が幅広い分野で培ってきたシステム開発に関わる知識や技術力を融合することで、より付加価値の高いサービスの提供を狙っている。土木建築業界は、労働者の高齢化や慢性的な人材不足といった課題を抱えていることから、ICTやAIなどの先端技術を活用したデジタル化の推進によって、課題解決を図ろうとする動きが加速している。また、建設会社の顧客(商業施設、公共施設、物流施設など)のニーズとして、システムを活用した人流や消費行動、作業者の動線の可視化・最適化がある。そのため、シーアンドエーコンピューターと同社は、新たに共同研究プロジェクトを立ち上げ、AIカメラによる人物の検知、ビッグデータ蓄積、データ活用、分析などを行うケイパビリティの構築を目指している。将来的に、顧客企業のマーケティング、物流、防災、まちづくり、地域活性化などに寄与する新たな付加価値を創出する考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 IXナレッジ Research Memo(7):社内スポーツ交流イベントを通して人的資本経営を実践中