*16:03JST インタートレ Research Memo(3):金融ソリューションからビジネスソリューション、ヘルスケアへと領域を拡大 ■事業概要

インタートレード<3747>事業は、証券ディーリングシステム、外国為替証拠金(FX)取引システム、暗号資産プラットフォーム等を提供する「金融ソリューション事業」、グループ経営管理ソリューションシステムの開発及び販売、システムエンジニア派遣等を手掛ける「ビジネスソリューション事業」、機能性キノコ「ITはなびらたけ」の研究と生産及びその食品や健康食品・化粧品等の企画・製造・販売を展開する「ヘルスケア事業」の3つのセグメントからなる。

1. 金融ソリューション事業
金融ソリューション事業は同社の主力で、2023年9月期(以下同)売上高の80.0%を占める。主に証券会社のディーリングシステムの開発・保守を行うが、昨今では従前の証券会社や証券ディーラーが減少傾向にある一方で、ブロックチェーンの普及等により金融ビジネスへの参入を狙う非金融企業が増え始めており、同社はその流れに沿って体制整備を進めている。

具体的には、同社の持分法適用関連会社であるデジタルアセットマーケッツにおいて、三井物産デジタルコモディティーズ(株)が金(ゴールド)を担保に金の価格に連動する国内初の「デジタルゴールド」というステーブルコイン(ジパングコイン)を発行しているが、同社はジパングコインの取引システムを提供しており、「金融ソリューション事業」の成長を支えている。

また、2024年11月に東証の現物売買システム「arrowhead(アローヘッド)」が更改され「arrowhead4.0」となることに伴い、顧客からのシステム改修ニーズが一斉に見込まれる。なお、成長性の観点で大きな寄与は期待しにくいものの、保守料やライセンス料などの安定した収入(ストック型収入)は継続する見込みであり、物価上昇分の価格転嫁も考慮した場合、安定成長に寄与すると考えられ、明るい材料になると弊社では考えている。

2. ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業は売上高の12.8%を占める。企業の経営判断材料となる様々なデータをリアルタイムかつシームレスに連携し、複合情報として高付加価値化したうえで統合管理し、目的に応じたデータ活用により適切な経営判断・意思決定を支援する「経営統合管理プラットフォーム」をコアプロダクトとし、企業経営管理のデファクトスタンダードを目指している。

同システムは会計系とは異なり企業において導入が必須ではないため、顧客の経営環境に依存することが多く、さらに受注まで時間を要することから同事業は苦戦を強いられている。また受託開発型事業のため繁閑の差が大きくなる傾向にあるほか、顧客都合により稼働が予測しにくいことから、適時適切なエンジニアの確保が難しいという問題もある。その解決策として、新卒採用を積極的に行っており、人材育成によってエンジニア不足の解消を進めていく計画である。

3. ヘルスケア事業
売上高の7.2%を占めるヘルスケア事業では、機能性キノコである「ITはなびらたけ」の研究・生産のほか、自社で「ITはなびらたけ」を乾燥させた後、粉末状にしてサプリメントにするなど製品化して販売を行っている。一般的なハナビラタケの特徴として免疫活性効果が挙げられるが、「ITはなびらたけ」においては、学術機関等との共同研究から内分泌機能や神経系機能への貢献も期待できるという結果を得ている。内分泌機能に関しては2024年9月期中の機能性表示食品化に向けて対応を進めており、機能性表示食品としてのサプリメントの発売を目指している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 インタートレ Research Memo(3):金融ソリューションからビジネスソリューション、ヘルスケアへと領域を拡大