2. 事業別動向 a) コア事業としての給水装置事業 高いシェアを有するコア事業の給水装置事業は、安定的な収益拡大のために強みを生かした差別化を進め、競争優位を追求する。具体的には「老朽化取替に付帯する需要」を確実に取り込み、地震災害に備える「耐震」製品等のニーズに応え、配水支管を中心に給水装置事業の安定的な成長を目指す。
b) 成長ドライバー事業として周辺領域の拡大を図る住宅・建築設備事業 今後も成長ドライバー事業として周辺領域の拡大を図る計画で、空調設備向け製品などの投入を始めた。空調分野は大型施設用空調分野で、空調用に水や温水を循環するシステムが採用される場合には、給水システムと同様に樹脂パイプ等を利用するなど、同社の既存技術を生かせる事業である。既に2023年3月期は100百万円規模となったもようで、今後、大型施設向け空調部品として拡大が期待される。なお同社が扱う配管部材はガス・空調設備などに限らず適用範囲が広いため、関連多角化を模索し、さらなる事業拡大の選択肢があると思われ、今後も住宅着工戸数が伸び悩む中でも着実な売上拡大を見込めると弊社は考えている。また2023年4月に100%子会社の前澤リビング・ソリューションズを吸収合併した。この会社は2020年3月31日に住商メタレックスの床暖房事業を買収し、住宅・建築設備事業の新たな販売チャネルとして規模拡大を目的として買収したもの。今回の吸収合併は、同社事業の成長ドライバーに位置付ける住宅・建築設備事業のさらなる領域の拡大を図り、効率化を促進することで収益基盤の強化を目的としているとのこと。実際、このM&Aによって住宅着工戸数の低迷の中で同社の売上増に大きく寄与してきた。今後、床暖房事業などでも配管機材を床暖房機器と合わせるなど、シナジー効果によるシステム販売なども期待される。