*17:55JST セグエ Research Memo(5):強固な財務基盤を維持 ■業績動向

2. 財務状況と経営指標
2023年12月期第2四半期末の資産合計は、前期末比457百万円増の11,709百万円となった。流動資産は、現金及び預金が減少した一方、受取手形及び売掛金や前渡金の増加等により245百万円増加した。また、棚卸資産は161百万円減少したものの、出荷待ち分や販売先からの在庫ニーズにより、前期末に引き続き高水準となった。固定資産は、投資有価証券や長期差入保証金の増加等により211百万円増加した。負債合計は、同218百万円増の7,785百万円となった。流動負債は前受金の増加等により同310百万円増加し、固定負債は長期借入金の減少等により同92百万円減少した。純資産合計は利益剰余金の増加等により同238百万円増の3,924百万円となった。

棚卸資産が高水準にあるのは、半導体不足によるセキュリティ・ITインフラ製品の納期遅延が続くなかで、販売先は商品が全てそろった段階での完納を求める傾向が強いためである。また、セグエグループ<3968>では、流動負債の前受金の前期推移を、ソリューションサービスのうち継続的に収入が積み上がっていくストック性のある将来売上を測る指標として捉えている。これは、販売した機器の保守サービスのうち、自社で行っている保守サービス料を、保守契約期間の最初の段階で一旦前受金として受領し、契約期間が経過するとともに月次で按分して売上を計上するという会計処理を採っているためである。2023年12月期第2四半期末における前受金は、ストック型サービスの受注高増加により、前期末比803百万円増加しており、今後の売上拡大を示唆している。

有利子負債は、セキュリティ・ITインフラ製品を十分に確保するため、前期末比388百万円増の1,480百万円となった。しかしながら、2023年12月期第2四半期末の自己資本比率は32.9%と2023年3月期の東証プライム市場の情報・通信業平均30.6%を上回る水準で、引き続き強固な財務基盤を維持している。また、流動比率も153.1%と高く、十分な支払い能力を有しており、安全性に懸念はないと言える。なお、2022年12月期のROAは10.6%、ROEは22.0%と、2023年3月期の東証プライム市場の情報・通信業平均の4.1%、7.1%をそれぞれ大幅に上回っており、高い収益性も確保していると評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 セグエ Research Memo(5):強固な財務基盤を維持