*12:26JST ダイコク電 Research Memo(6):2024年3月期も引き続き増収増益を見込む ■業績見通し

1. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績についてダイコク電機<6430>は、売上高を前期比19.4%増の38,000百万円、営業利益を同4.5%増の4,200百万円、経常利益を同2.1%増の4,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同2.5%増の3,000百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。

売上高は、前期に引き続き「情報システム事業」が大きく伸長する見通しである。市場導入されたスマートパチスロ機(2023年3月末時点で4機種)の稼動が好調に推移しているうえ、2023年4月からはスマートパチンコ機も市場導入されたことから、パチンコホールにおける設備投資需要が継続することを前提としている。もっとも、スマートパチンコ機については、スタートして間もないことから、機種が出そろうタイミングを含めて、慎重な見方をしているようである。一方、「アミューズメント事業(旧 制御システム事業)」については、表示ユニット及び制御ユニットの開発機種減少により減収を見込んでいる。

利益面は、前期同様「情報システム事業」の伸びが収益を押し上げ増益を確保するものの、積極的な開発投資※により営業利益率は11.1%(前期は12.6%)に若干低下する想定である。

※研究開発費は前期比120.0%増の1,451百万円、設備投資は同134.4%増の2,941百万円とそれぞれ2倍以上に拡大する計画である。


2. 弊社の見方
弊社でも、半導体不足や原材料価格の高騰など不確実性の高い外部環境の影響には引き続き注意が必要であるものの、「スマート遊技機」時代を迎えるにあたって、パチンコホールの設備投資需要が継続し、さらに本格化していくことを前提とすれば、同社の業績予想の達成は十分に可能であると見ている。もちろん、今後の新機種導入のタイミングや導入後の稼動の状況など、現時点で不確定な要素がパチンコホールの設備投資意欲にも一時的な影響を及ぼす可能性は否定できず、そのあたりの振れ幅は慎重に見ておく必要があるものの、いずれにしてもパチンコホールにとって「スマート遊技機」の導入(入れ替え)やクラウド化は存続のための不可欠な要件となっており、今後数年間にわたっていかに需要を取り込んでいくのか、そういった目線から今後の動向をフォローしていく必要があるだろう。また、引き続きクラウドサービスの強化やスマートパチスロ機の開発の動向など、中期戦略の実現に向けた進捗にも注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ダイコク電 Research Memo(6):2024年3月期も引き続き増収増益を見込む