*15:14JST ファブリカ Research Memo(4):最新のマーケティング手法やテクノロジーをグループ内の事業へフィードバック ■ファブリカコミュニケーションズ<4193>の事業概要

4. インターネットサービスグループ
「インターネットサービスグループ」は、デジタルマーケティング事業として他セグメントへのWeb集客支援を担っているほか、独自サービスとして自動車Webマガジンの運営や、中古車一括査定サービスの提供を行っている。

デジタルマーケティング事業では、自社メディアや自社サービスの開発運営で培ってきたマーケティングノウハウを生かし、SMSソリューショングループやU-CARソリューショングループのWeb集客支援を担っている。独自サービスとしては、車買取事業者への一括査定サービスの提供や自動車Webマガジン「CarMe」の運営、YouTubeチャンネル「CARPRIME」「車選びドットコム〈公式〉」の運営などを展開している。

これらの運営によって日々蓄積される最新のマーケティングノウハウやテクノロジーは、同社グループの各事業の推進のためにフィードバックされ、同社グループのさらなる成長のための新規サービスの開発にも活用している。業績はセグメント損失となる年度もあるが、同社の研究開発部門のような位置付けであることから弊社では悲観はしなくて良いと考えている。

また、同社は(株)アドブレイブよりEC特化型CRMプラットフォームである「アクションリンク」に関する事業を2023年2月末に譲受した。「アクションリンク」は、データによって顧客理解を深め顧客ごとに最適なメッセージ配信を自動化し、ECの顧客エンゲージメントとリピート売上を最大化することを目的とした顧客中心CRMプラットフォームである。「アクションリンク」の最大の特徴は、ツール導入直後からボタン1つで効果的な施策をスタートできる点である。「鉄板シナリオ(R)」※と呼ばれる、過去数千回のPDCAによってリピート売上への効果が証明された施策がインストールされており、知識がない人でも簡単にCRM施策を実行することができる。同社では同事業により盤石な顧客基盤とLTVの最大化をサポートし、EC事業者の継続的な事業成長を実現する考えである。2023年4月にはChatGPTとも連携し、簡単な指示をするだけで顧客に配信するメールの原案を自動作成することを可能とするなど、機能の拡充を急ピッチで進めている。

※「鉄板シナリオ(R)」は特許庁商標登録済み商標。登録商標第6296184号



BP・レンタカー事業、車検・整備事業を展開
5. オートサービスグループ
「オートサービスグループ」は、BP(Body repair and Paint:鈑金塗装)・レンタカー事業と、車検・整備事業で構成している。

BP・レンタカー事業はBtoBtoCモデルであり、「鈑金塗装fabrica」及び「ファブリカレンタカー」を手掛けている。具体的には、損害保険会社や保険代理店からの依頼を受けて、事故で損害を受けた自動車の修理と修理期間中の代車となるレンタカーの貸出、事故車両を引き揚げるレッカーサービスなどをワンストップで提供している。1台1台状況の異なる事故修理には、レッカー事業者、代車・レンタカー事業者、部品商、ガラス業者、鈑金塗装工場など独立した事業者が分業しており、その工程が複雑で部品発注ミスや工員の作業ミスなどで納期管理や品質管理が極めて難しいサービスと言われていた。そのようななか、同社は独自に開発した工程管理システムと検査体制、優良な工場ネットワークなどを駆使して、短納期・高品質のサービスを提供している。

車検・整備事業はBtoCモデルであり、同社の祖業である自動車整備事業を行っている。具体的には、愛知県春日井市の国土交通省中部運輸局の指定工場(中指第6020号)で、顧客に対して車検整備や新車・中古車の販売サービスなどを提供している。BP・レンタカー事業及び車検・整備事業の店舗及び工場は、巨大な自動車アフターマーケットに対して、同社が当事者として直接的に接することで市場や業界が抱える様々な課題を抽出するための機会も担っている。また同社グループが開発提供する様々なITサービスの実験店舗(パイロットショップ)としての役割も有しており、U-CARソリューショングループが提供する「symphony」などあらゆるITサービスを試験導入し、ユーザー評価を開発陣にフィードバックすることでサービス品質の向上に役立てている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ファブリカ Research Memo(4):最新のマーケティング手法やテクノロジーをグループ内の事業へフィードバック