*12:03JST ジーニー Research Memo(3):「広告プラットフォーム事業」を主力に3つの事業を展開 ■会社概要

2. 事業概要
ジーニー<6562>は事業セグメントを3つに分けている。広告主にインターネットメディアやOOH※広告のビルボードなどの広告媒体を仲介するツールを提供する「広告プラットフォーム事業」、企業が広告やマーケティング活動を行う時に使うツールを自社開発やM&Aで調達し、提供する「マーケティングSaaS事業」、同社グループのプロダクトラインナップを揃え販売する「海外事業」の3つの事業を展開している。

※OOH(Out Of Home)とは、アウト・オブ・ホームの略で、電車やバスなどの公共交通機関における中吊り広告に代表される交通広告、街中で展開される看板広告や街頭ビジョンに代表される屋外広告、ラッピングカーやデジタルサイネージなど、自宅以外で展開する広告メディアの総称。


2023年3月期の事業別売上構成比は、広告プラットフォーム事業は58.7%、マーケティングSaaS事業は29.6%、海外事業は11.7%である。広告プラットフォーム事業が約60%を占め、主力事業である。

(1) 広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業は、独自開発したメディアと広告主の双方の収益を最大化するプラットフォーム「GENIEE Ads Platform」を提供している。主にインターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」などを展開し、これらプラットフォームのOEM提供も行っている。「GENIEE SSP」はインターネットメディア等の広告収益を最大化させるプラットフォームであり、広告枠を閲覧するユーザー毎に、RTB※ 技術によりオークション形式で選択された最適な広告を配信する仕組みである。「GENIEE DSP」は、広告主のニーズに合わせて選択された枠へ配信することで、広告主の利益を最大化する広告買い付けプラットフォームである。

※RTB(Real‐Time Bidding)とは、広告の表示ごとにオークション方式で最も高単価な広告を配信する仕組みで、リアルタイムにインターネット広告枠を取引できる技術のこと。


「GENIEE SSP」や「GENIEE DSP」経由で広告を配信すると、広告表示回数や単価に応じて広告主から同社グループへ広告掲載料が支払われる。広告代理店や他社DSP、アドネットワーク、OEM提供先を介して広告が配信される場合は、同社グループは広告主からそれらを経由して広告掲載料を受け取る仕組みである。

(2) マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS 事業は、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを一元管理するマーケティングサービス「GENIEE Marketing Cloud」を展開している。広告を通じた集客から販売までのプロセスをワンプラットフォームで行うことができる。主な製品として、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)及び顧客管理システム(CRM)「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社を誇るチャット型Web接客プラットフォーム 「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」がある。

「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE MA」「GENIEE CHAT」「GENIEE SEARCH」などのSaaSプロダクトでは、導入企業より月額でシステムやサービスの利用料を受け取り、収益としている。

(3) 海外事業
海外事業では東南アジア、北米、インドなどで同社のプロダクトを販売しているインターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」をはじめとした事業を中心に展開している。2023年3月期において、インターネットメディアのディスプレイ広告収益向上サービスを提供するZeltoを完全子会社化した。これにより、同社が提供するサービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへ価値提供が可能になった。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ジーニー Research Memo(3):「広告プラットフォーム事業」を主力に3つの事業を展開