*12:02JST 東京通信G Research Memo(2):世界を代表するデジタルビジネス・コングロマリットを目指す ■東京通信グループ<7359>の事業概要

1. 沿革
同社グループは、2015年5月、スマートフォン向けアプリの開発・運用を主な目的として設立された。その後、事業ポートフォリオの多角化を目的に複数の企業を設立しながら事業運営を行ってきた。そうしたなか、2020年12月には東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場を果たし、2022年4月に東証の市場再編に伴い東証グロース市場に移行した。東京から世界へ、「世界を代表するデジタルビジネス・コングロマリット」を目指して、変化の早い環境に順応していくために、既存事業にこだわらず、ビジネスモデルの転換や競争力のある新規事業の創出・育成に挑戦する風土が同社の強みとなっている。

2. 事業内容
同社は「メディア事業」と「プラットフォーム事業」の2事業に加えて、報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」の合計3つの事業を展開している。「その他」には、投資事業やメタバース、人材サービスなどの新規事業が含まれる。

(1) メディア事業
メディア事業では、主にスマートフォン向けアプリメディアの企画・開発を行っている。アプリ内の一部スペースを広告枠とし、広告を出稿したい広告主へ提供することで、ユーザーの広告視聴やクリック数等を獲得し、広告収入を得ている。

具体的には、短時間で操作できる「国内向けアプリ」、シンプルな操作で言語の壁がない「ハイパーカジュアルゲーム」を中心に、現在4,000タイトル以上のスマートフォンアプリをリリースし、無料アプリ内の広告収益を主軸としたビジネスモデルとなっている。

(2) プラットフォーム事業
プラットフォーム事業では、恋愛や、仕事、人生に関する悩みを抱えるユーザーと、経験豊かなアドバイザーをマッチングする電話相談サービス「カリス」を運営している。その他、筋トレ系インフルエンサーのTestosterone氏が監修するヘルステックサービス「OWN.」、アーティストなどとの双方向のコミュニケーションを実現する推し活※×メッセージアプリ「B4ND」など、新たな収益基盤として期待される新規事業を多く展開している。

※アイドルや俳優などの芸能人、アニメや漫画のキャラクターなどの中で、自分が特に好きな人や物を、グッズの購入やイベントへの参加、ファンレター等で応援する活動のこと。


(a) 電話占い「カリス」
電話占いは、相談を受ける側である占い鑑定師のマネジメントや教育にも注力し、全体的なコンテンツの質を高めることでユーザー獲得を行っている。また、「カリス」のノウハウを転用した恋愛相談サービスも行っている。占いと恋愛相談は心理的に近い分野であり、恋愛に悩みを持つ人、誰かに恋愛相談したい人などにまで顧客層を広げる計画だ。さらに、2023年4月には、サイバーエージェント<4751>から「SATORI電話占い」の事業を譲受した。これにより、電話占い市場におけるシェアのさらなる拡大が見込まれる。

(b) ヘルステックサービス「OWN.」
200万以上のフォロワーを擁する筋トレ系インフルエンサーの Testosterone氏が監修する「OWN.」は、動画でのトレーニング要素に加え、画像認識による食事の自動解析、体重管理や摂取カロリー計算機能を追加したヘルステックサービスとなっており、健康でエネルギッシュな状態を生涯にわたって維持するのに役立つプロダクトを提供するウェルネスブランドとして事業展開している。将来的には、リアル店舗を構えるフィットネスジムへの展開、健康経営を目指す企業への福利厚生サービスとしての提供なども検討しており、スマートフォンアプリである「OWN.App」を起点にサービスの幅を拡大させていく計画だ。

(c) 推し活×メッセージアプリ「B4ND」
「B4ND」は、アーティストなどとの双方向のコミュニケーションを実現するメッセージアプリであり、ファンレターのDX化などのニーズに対応したサービスである。1対1のクローズドなコミュニケーション環境で個々のファンの存在を“認知できる”価値を提供することにより、従来のファンクラブという垣根を超えて、ファンとアーティストをダイレクトにつなげるプラットフォームとなることを目指している。アプリ内での課金に加えて、NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)を活用したデジタルコンテンツの販売なども検討している。個々のファンの存在を“認知できる”という新しいファンコミュニケーションの価値を提供することでファンエンゲージメントを高めながら、それによって得られる収益を最大限、アーティストに還元することで、活動の継続化・永続化を支援していく。

(3) その他の事業
その他の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントで、メタバース事業、デジタルサイネージ事業、人材紹介事業、投資事業及び新規事業開発等を行っている。メタバースに関しては、電話占いやヘルステックなどの既存コンテンツをメタバース上で展開することを計画しており、具体的には、「カジュアルゲームアプリ×メタバース」「占い×メタバース」「アイドル×メタバース」「フィットネス×メタバース」などを想定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 東京通信G Research Memo(2):世界を代表するデジタルビジネス・コングロマリットを目指す