(2) 成長戦略 a) 横浜・川崎エリアでのブランド力を高める ステップ<9795>は中長期的に神奈川県内に特化した学習塾として成長を続けるための戦略として、生徒数の増加が今後も見込まれる横浜・川崎エリアでのシェア拡大を最重要課題として取り組んできた。2023年春の横浜市内の公立トップ校における合格者数は他塾との差をさらに広げる結果となり、横浜エリアでのブランド力は一段と高まったものと評価される。県内最難関校とされる横浜翠嵐高校の合格者数についても2年ぶりにトップに返り咲いている。同社の場合、志望校の選定は生徒の自主性にまかせているため、横浜翠嵐高校の合格者数が急に増加するということは考えにくいが、横浜・川崎エリアの生徒数が増加傾向にあることから、今後も着実に増加する可能性が高いと弊社では見ている。
b) 新スクールの開校は川崎、横浜東部・臨海・南部エリアで推進 今後の小中学生部門における新スクールの進出は、現在13スクールに留まっている川崎エリアで加速するほか、横浜東部・臨海・南部などでドミナント展開する予定である。神奈川県内で今後10年以上、就学人口の増加が見込まれるエリアとして川崎市や横浜市東部、藤沢市などが挙げられているためだ。このため、これらの地域で進学学習塾としての圧倒的なブランド力を確立し、スクールのドミナント展開により生徒数を拡大し成長を目指す戦略となっている。出校に関しては同社が強みとする教務力の品質を維持できる人材(教師・教室長)の育成が条件となるが、小中学生部門では年間3~4校程度を目安としている。
c) 高校生部門はブランド力が高まり、既存校の増床・移転を優先課題に取り組む 高校生部門では、従来3~4年に1校のペースで開校を続けてきた。授業の質を維持しながらスクールを増やす方針のため、新規開校は教師のリソースを確保してからとなる。こうした取り組みを続けてきた結果、大学合格実績もここ数年で躍進的に伸び、神奈川県内の公立高校生を主体とした学習塾としてはトップレベルのブランド力を有するまでになった。1年生では早々に定員に達する校舎も増え、今後も一段と人気が高まるものと予想される。喫緊の課題は、教師の育成と定員に達して募集打ち切りとなっている既存校舎の移転・増床を進めることにある。