*14:31JST ブロードエンター Research Memo(1):マンションオーナーのキャッシュ・フローを最大化 ■要約

ブロードエンタープライズ<4415>は、マンション向けインターネットサービス事業を展開している。マンション・アパートの空室対策になるオーナー向け入居者無料インターネット設備「B-CUBIC」とマンションのエントランスをオートロックするためのIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」を軸に、集合住宅の付加価値を高め、マンションオーナーのキャッシュ・フローを最大化するためのサービスを提供している。「B-CUBIC」を軸に複数のサービスを提供しており、それぞれ「初期導入費用0円」で導入できる仕組みを構築している。これによりオーナーの初期投資を抑制しながら、物件の価値向上を実現することを可能にしている。

1. 2022年12月期の業績概要
2022年12月期の業績は、売上高が前期比19.7%増の2,992百万円、営業利益が同49.3%減の289百万円、経常利益が同76.5%減の125百万円、当期純利益が同77.6%減の77百万円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う在宅勤務の増加や賃貸マンションの空室問題などを背景にインターネット導入に対する需要は旺盛となり、「B-CUBIC」「BRO-LOCK」の受注件数が拡大し、売上高は過去最高を更新した。利益面は「収益認識に関する会計基準」等を適用したこと及び拠点の新規開設や人財採用といった成長投資の影響を受け、減益となったが、売上高が順調に拡大しており、成長フェーズにあると弊社は見ている。なお、同社は2022年12月期の期初より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、前期との比較は参考値として記載している。

2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績に関しては、売上高で前期比22.5%増の3,666百万円、営業利益で同26.2%増の366百万円、経常利益で同59.0%増の200百万円、当期純利益で同71.0%増の133百万円を見込んでいる。売上高に関しては過去最高を更新、利益面に関しても大幅な増益を見込んでいる。無料インターネット市場の堅調な成長とIoTマンション市場の拡大が見込まれ、「B-CUBIC」の安定したストック収益を軸に「BRO-LOCK」「BRO-ROOM」などのフロー収益事業にも注力し、シェア拡大を目指す。また営業組織体制を4つのセクションに再構築するほか、パートナー施策を推進し、受注の伸長を実現していく。

3. 中期の成長戦略
同社は中期的な成長戦略として、「既存事業の着実なシェア拡大」「新規事業の創出」「新規領域への挑戦」の3つを掲げている。賃貸・既築市場において、主力の「B-CUBIC」と「BRO-LOCK」を軸に「BRO-ROOM」「BRO-CLOUD」「スマートサイネージ」など各種新サービスを拡充しながらトップシェアを目指す。新規領域への挑戦も掲げており、M&Aを活用し既存事業とのシナジーを生むことで業績の拡大と企業価値の向上を図る。さらに同社は、3~5年後を目途にプライム市場への移行を目指し、事業を推進している。

■Key Points
・「B-CUBIC」と「BRO-LOCK」を軸に、物件の価値向上を実現するIoTデバイスを包括的に提供
・2022年12月期は過去最高の売上高を更新
・2023年12月期は増収増益を見込む
・3~5年後を目途にプライム市場への移行を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ブロードエンター Research Memo(1):マンションオーナーのキャッシュ・フローを最大化