東京通信<7359>は、国内外向けに無料スマートフォンゲームを多数展開するインターネットメディア事業を軸として、インターネット広告事業、プラットフォーム事業を手掛けている。ハイパーカジュアルゲームアプリケーション(以下、アプリ)等をグローバル展開するインターネットメディア事業、アフィリエイト広告(成果報酬型広告)を行うインターネット広告事業に、電話占い「カリス」を運営する(株)ティファレトの連結子会社化に伴い、2021年12月期第2四半期からプラットフォーム事業が加わった。また、新たな取り組みとして、2022年4月に新サービス「OWN.」をリリースし、ヘルスケア・フィットネス領域へ参入した。2022年8月には新会社(株)シーカーズポート設立により人材ビジネスへ参入したほか、同社及び同社子会社の(株)METAVERSE A CLUB(メタバースエースクラブ)とArithmer(株)及び(株)NSCホールディングスとの合弁会社である(株)アミザを設立してメタバース事業へ着手した。さらに、12月にはGameFi領域への参入を発表したほか、2023年2月にはアーティストとファンの双方向のコミュニケーションを実現する推し活×メッセージアプリのβ版をリリースするなど、新規事業を積極的に展開することで事業ポートフォリオの拡大を目指している。
1. 2022年12月期の業績概要 2022年12月期の連結業績は、売上高5,071百万円(前期比7.2%※1増)、営業損失54百万円(前期は465百万円の利益)、経常損失45百万円(同424百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失265百万円(同202百万円の利益)、EBITDAが318百万円(同55.1%減)となった。インターネットメディア事業において、世界的なヒットを記録したハイパーカジュアルゲームアプリ「Save them all」と同程度のヒット作を創出できなかったものの、プラットフォーム事業において電話占い「カリス」が年間を通じて収益貢献したこと、ヘルステックサービス「OWN.」をはじめとする新規事業を積極的にリリースしたことなどが寄与し、売上高は前期を上回って着地した。一方で利益面では、東アジアに向けたアプリ提供の本格化、Play-to-Earn※2領域のインセンティブゲームのプロモーションの強化、自社コンテンツのマルチプラットフォーム展開、知名度のある外部IPを活用したゲームの開発など、新ジャンルのアプリ開発とプロモーションに積極投資したことで減益となった。また、積極的な人材採用とオフィス環境統合による効率化を目的とした本社移転により、一時的なコストが発生した。