b) 固体カーボン化 国立大学法人静岡大学と共に一般廃棄物処理プラントの排ガスに含まれるCO2を回収し、化学品などの原料となるカーボンを生み出す技術の研究開発を推進する。同社が研究するのは、排ガスから回収したCO2をカーボン製品など化学原料に変換する技術である。水素と回収したCO2を反応させる逆シフト反応などで、炭素を回収し、炭素を触媒反応により固体炭素に変換する。開発中の同技術は、一般的なカーボンリサイクルプロセス(CO2と水素からメタンを合成するメタネーションなど)と比べて、必要な水素量が少なくてすむ。高コストな水素の使用量が少ないため、比較的安価に運用できるカーボンリサイクル技術として普及が見込める。
c) NEDO調査事業 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「バイオマス発電施設における省エネルギー型CO2分離回収に関する調査」を受託している。この事業では、日本製紙<3863>と双日<2768>による合弁事業である勇払エネルギーセンター合同会社のバイオマス発電所(2023年1月に運転開始予定)を対象モデルとし、同社の一般廃棄物焼却施設およびバイオマス発電施設での豊富な実績と技術、ノウハウを活用して、バイオマス発電施設での省エネルギー型CO2分離回収技術および集約技術の検討、さらに事業化の課題調査を行う。