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■今後の見通し
1. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期についてアルファ<3434>は、2022年11月に業績予想の修正を発表し、売上高60,000百万円(前期比11.5%増)、営業利益700百万円(同19.4%増)、経常利益1,300百万円(同25.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円(同16.6%増)とした。売上高は期初計画を据え置いたものの、営業利益で1,100百万円、経常利益で500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で600百万円それぞれ下方修正した。修正の理由としては、円安進行に伴う売上高の上振れ要因があるものの、自動車部品事業において半導体供給不足による得意先での減産が継続しており、当初の受注想定を下回る見込みとなったことが挙げられる。また、生産変動に伴う固定費等の負担増や原材料費やエネルギー費等の高止まりが続いていることも影響した。
2023年3月期下期は、自動車部品事業で生産調整が軽減され、実質的な数量増効果が期待されるほか、得意先による新車投入効果が期待できる。また、セキュリティ機器事業は好調が継続する見通しである。これらに加え、不確実な要因が軽微に留まれば、通期予想は達成可能な水準であると弊社では見ている。
2. 事業セグメント別見通し
(1) 自動車部品事業
自動車部品事業の売上高は期初計画で46,500百万円(前期比10.1%増)としていたが、既述のとおり半導体供給不足による得意先での減産が継続しており、当初の受注想定を下回る見込みとなったことから、44,000~45,000百万円(同4.2~6.6%増)に下方修正した。セグメント利益予想の開示はないが、減収に加え、原材料費やエネルギー費等の高止まりが続いていることから、全社ベースでの営業利益の下方修正1,100百万円はすべて同事業の減益と弊社では見ている。
(2) セキュリティ機器事業
セキュリティ機器事業の売上高は期初計画で13,500百万円(前期比16.9%増)としていたが、好調が持続していることから、15,000~16,000百万円(同29.9~38.6%)へ上方修正した。住設機器部門は住宅向け電気錠の販売が好調に推移しているほか、ロッカーシステム部門もコロナ禍の影響から回復傾向にある。直近では2022年11月、子会社のALPHA HOUSING HARDWARE (THAILAND) CO., LTD.で、電気錠等の生産増加に対応するため工場の増設を行った。これにより、生産能力は2020年3月期の2.5倍となる見込みだ。これらを考慮すると上方修正値の上限(16,000百万円)を達成する可能性は高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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