■事業概要

いい生活<3796>は新規サービスの開発に積極的であり、事業の拡大とともに顧客の課題・要望を取り入れつつ、一つひとつのサービスを開発・リリースしてきた経緯があるため、サービス内容が多岐にわたっている。2022年11月より、同社の目指す世界観と果たすべき使命を顧客と共有するために、ミッション、ビジョン、バリュー、サービス名、サービスロゴ、コーポレートロゴ等の全面的なリニューアルを行った。新たなミッションを「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」、ビジョンを「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」と定め、同社の理念に基づく統一的な価値創造のため、サービス全体にわたるブランドリニューアルを進める方針だ。

ロゴは社名の「いい生活」の「いい」をモチーフにしており、ロゴに使われる3色は人やデータが行き交う流れを「かぜ(BLUE)」、不動産の本質である土地を「つち(YELLOW)」、建物やシステムのような秩序を「まち(NAVY)」とすることで、プラットフォームの要素を色でも表現していると言う。

今回のブランドリニューアルにより、サブスクリプションは「業務クラウドシリーズ」と「不動産プラットフォーム」に分類されることになった。

(1)業務クラウドシリーズ
賃貸管理、賃貸仲介、売買仲介などの業務を支援するサービス群を「業務クラウド」シリーズとしている。主なサービス内容として、「賃貸管理クラウド」は、賃貸管理業務の基幹システムであり、「賃貸クラウド」は空室の募集、申し込みから契約までの業務をカバーできる。自社のホームページや不動産ポータルサイトへの物件情報出稿用のデータベースとなるだけでなく、顧客管理及び契約書の作成も可能となっている。「売買クラウド」はスマホやタブレット等、各種デバイスで物件の広告が打つことができ、複数のポータルサイトに同じ情報を登録更新できる。売買の契約書の作成もでき、最新の業法改正にリアルタイムで対応できるなどの利点がある。

(2)不動産プラットフォーム
不動産賃貸管理会社・賃貸仲介会社などの業者間のWebサービスを「不動産プラットフォーム」としている。主なサービスとして、「いい生活 Square」は賃貸管理システム及び内見予約・入居申込サービスとリアルタイムに連携する業者間流通サイトであり、全国の不動産管理会社及び賃貸仲介会社が物件情報の掲載や検索を行うことができる。空室募集から内見申込み、入居申込みまでの一連の業務をスムーズにつなげることで不動産会社のリーシング業務を支援。このサービス上の物件情報はクラウド上の1つのデータベースに集約されているため、リアルタイムに情報の更新がされるので、仲介会社は掲載されている物件が空室かどうかを都度確認する負担がない。「いい生活Home」は入居者向けのコミュニケーションアプリ、「いい生活Owner」は、オーナーと管理会社のコミュニケーションツールである。例えば、管理会社は、管理を委託しているオーナー向けの毎月の収支報告をスマートフォンのアプリに送ることによりペーパーレス化を図る。さらに不動産取引における少額の決済に使えるスマホ決済機能(「いい生活Pay」)も提供している。「いい生活Home」及び「いい生活Owner」のアクティブユーザー数は10万人を超えており、入居者およびオーナーも巻き込んだ一大プラットフォームとして拡大を続けている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 いい生活 Research Memo(4):統一的な価値創造のためブランドをリニューアル