セグメント別の業績は、シンクタンク・コンサルティングサービスの売上高が前期比20.2%増の48,548百万円、営業利益が同12.7%増の4,115百万円、経常利益が同23.7%増の5,190百万円となった。成長事業としているDX関連事業の展開を積極的に行うなかで、官公庁向けの大型案件であるAIシミュレーションとローカル5G、最先端ICT、省エネ関連案件がトップラインを押し上げた。これにより、セグメント売上高は過去最高を記録した。同セグメントにおけるDX関連事業のトピックスとしては、「Region Ring(デジタル地域通貨)」の提供開始(2022年4月)、アトラス情報サービス(株)が構築している情報基盤を活用した自治体向け科学的介護予防パッケージの提供の開始(同8月)、卸電力取引向けオンライン情報サービスのMPX(MRI Power Price Index)事業の分社化・事業開始(同10月)※などが挙げられる。
※同社はMPX事業を事業分割、別会社化することを2022年8月4日に発表した。
ITサービスの売上高は、前期比8.6%増の68,072百万円、営業利益は同58.2%増の5,048百万円、経常利益は同57.7%増の5,301百万円となった。売上高に関しては、引き続き基盤事業である金融・カード分野が伸長した。加えて、官公庁向けの案件が増えたことや金融・カード分野以外でのDX関連事業の実績が積み上がったことも増収に寄与した。利益面に関しては、基盤事業の品質・生産性向上と人財リソースの最適配置によって収益性が大きく高まった。これらの要因により、売上、利益共に過去最高を達成している。なお、ITサービスにおけるDX関連事業のトピックスとしては、セキュリティ対策とデータ保護対策を総合的に行える「ランサムウェア対策ソリューション」、特別支援・学級向けコミュニケーションロボットサービス「Link&Robo for グローイング」の提供を2022年9月に開始した。また、MD連携によって、同社が出資している仏 ForePaaS※のビッグデータ解析ツールを活用した海上輸送向けGHG(温室効果ガス)管理ツールの提供も開始した。このように金融・カード分野以外での実績も積み上がった状況だ。