■会社概要

No.1<3562>は、「日本の会社を元気にする一番の力へ。」を経営理念に掲げ、全国の中小・零細企業を主な対象として、情報セキュリティ機器の企画開発・製造・販売及び保守事業や、OA関連商品の販売及び保守・メンテナンス事業などを手掛けている。1989年に法人向けソフトウェアの販売会社として神奈川県横浜市に(株)ジェー・ビー・エム(現No.1)として設立され、事業をスタート。その後、複合機やビジネスフォン、PCなどOA機器販売や自社による保守・メンテナンス事業を開始すると、日本各地に営業拠点を開設し、新規顧客の獲得とサポートサービスの充実により業容を拡大してきた。最近では、ストック収益の拡充を図るため、サブスクリプション(月額課金)方式のコンサルティングサービスにも注力している。また、2020年7月に子会社化したアレクソンが企画開発・製造する情報セキュリティ機器がDXの流れに乗って好調に推移しており、同社の成長をけん引している。顧客は全国の中小・零細企業を中心に15,000社を超える。また、業種別の顧客構成は多業種に及んでおり、景気変動リスクに対しては分散効果が図られている。

単一セグメントであるが、事業の内容別に1)情報セキュリティ機器販売事業、2)OA関連商品販売事業、3)情報通信端末販売事業、4)Webソリューション、5)ビジネスコンサルティング事業などに分類することができる。同社グループは、同社及び連結子会社5社の合計6社※によって構成されている。連結子会社には、(株)Club One Systems(2013年5月設立)、(株)オフィスアルファ(2014年9月子会社化)、光通信<9435>との合弁会社である(株)No.1パートナー(2019年4月設立)、(株)No.1デジタルソリューション(2020年6月子会社化)、アレクソン(2020年7月子会社化)の5社であり、ラインナップの拡充やサービスの強化に向けて重要な役割を担っている。

※2022年9月21日に設立したクレディセゾンとの合弁会社(株)セゾンビジネスサポート(持分法適用関連会社)は含めていない。


1. 各事業の概要
(1) 情報セキュリティ機器販売事業
2020年7月に子会社化したアレクソン製の商品を主力としており、商品の企画・開発に始まり、設計・製造・販売までをグループ内で行う「製造卸」としての体制を整えている。インターネットの普及やDXの流れに伴って情報セキュリティ対策が企業の大きな課題となっており、需要が拡大傾向にある。UTM※1やセキュリティスイッチ※2など、ラインナップを豊富に揃えている。

※1 複数の異なるセキュリティ機能を1つのハードウェアに統合し、統合脅威管理(Unified Threat Management)を行う商品。インターネットから社内ネットワークへ侵入してくる様々な攻撃(不正アクセス、Dos攻撃、ウイルス攻撃など)をネットワークの入口で未然に防ぐ機能を持っている。
※2 社内のネットワークに流れる通信パケットを監視し、内部へウイルスが侵入した場合に、感染したデバイスの早期の特定と迅速な遮断を行い、ネットワークへの拡散と攻撃を阻止する監視機能を持ったセキュリティ機器。


(2) OA関連商品販売事業
創業来の同社の主力事業であり、複合機やビジネスフォン、PCなどのOA機器を仕入れ、販売している。また、顧客よりメンテナンスサービス及びトナーなどの消耗品の対価として、コピー機の使用量に応じてカウンターサービス料も受けている。なお子会社のオフィスアルファでは、OA機器の中古商品に特化した販売及びレンタルも行っている。

(3) 情報通信端末販売事業
光通信との合弁会社であるNo.1パートナーが、Webマーケティングを活用し、モバイルWi-Fiやスマートフォン、SIMカードなど各種情報通信端末の販売を行っている。また、人材採用支援業務(媒体を活用して、求人記事の作成から投稿まで一括で代行するサービス)や、日本オラクル(株)との提携により開発したフルマネージド型クラウドサービス「デジテラス」の販売も手掛けている。

(4) Webソリューション事業
業種ごとの特徴を捉えた複数のホームページを取り揃え、企業ごとの強みを付加したホームページの制作及び運用をサポートするSEOコンサルタント事業を展開している。

(5) ビジネスコンサルティング事業
2020年9月より「No.1ビジネスサポート」を開始した。経営環境が大きく変化するなか、様々な経営課題を抱える経営者へのソリューション営業を深化させるもので、「売上向上に寄与」「業務改善・効率化への貢献」「リスク回避」など顧客の実質的な利益への貢献を目指すものである。顧客ごとに専任のビジネスコンサルタント※を配置し、「経営相談」「ネットワーク診断・分析」「リモート サポート」「人的サポート」「データ復旧」「office問合せサポート」の6種の基本サービスを提供している。

※ビジネスコンサルタントとは、既存顧客を定期的に訪問(オンライン訪問含む)し、顧客のニーズや課題を把握、企業の状況や環境に合わせて最適なサービスを提供する役割を担う人材を指している。


(6) その他
システムサポートなどを展開している※。

※アスクル代理店事業は2022年8月31日に譲渡(詳細は後述)。


2. 主力商材
同社の主力商材は、UTM(情報セキュリティ機器)、ファイルサーバー、ホームページ、MFP(複合機)、ビジネスフォン、防犯セキュリティの6つとなっている。そのうち、UTMとファイルサーバー、ホームページの3商材については自社企画であり、高付加価値商材として注力している。

3. 営業拠点
2022年2月末時点で全国に支店18拠点、サービス/物流センター23拠点、子会社/代理店/フランチャイズ(FC)69社を展開し、ネットワークを構築している。今後もアライアンス強化等を通じて、チャネル拡大に取り組む方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

<NS>
情報提供元: FISCO
記事名:「 No.1 Research Memo(2):情報システム周辺サービスのほか、コンサルタントによるビジネスサポートにも注力