日本政府は2050年の排出実質ゼロ(Net Zero)のカーボンニュートラル達成のために、2030年までの温室効果ガス排出量の削減を2013年度比46%減とする新しい目標を発表した。企業情報の開示に関して、東証はプライム市場上場企業に、気候変動によるリスク情報の開示を実質的に義務付けた。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)では、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」を開示推奨項目としている。「指標と目標」の項目では、科学に基づく目標設定のSBT認定を受けた日本企業は277社(2022年10月3日現在)に増加した。個々の企業がカーボンニュートラル実現を目指すにあたって、排出量の算定は自社施設の燃料消費(スコープ1)、自社施設で購入した電気・熱の使用(スコープ2)ばかりでなく、上流のサプライヤーによる物品製造時排出量や下流の顧客による自社製品使用時の排出量(スコープ3)まで対象が広がる。企業が自らの事業の使用電力を100%再エネでまかなうことを目指す国際的なイニシアティブ「RE100」の認定企業は79ヶ国1,803社(2022年10月現在)に達した。国別では、英国が293社、日本が277社、米国が260社、ドイツが101社、フランスが94社となる。