■企業ビジョンと成長戦略

3. 4つの事業戦略
日本リビング保証<7320>では、新しい企業ビジョンのもと、成長を加速するための4つの事業戦略をこれから実践していく。そのために潤沢な資金力を生かして、中長期的視点で成長投資を強化する考えである。

(1) 新たなデジタルプロダクトの投入
4つの事業戦略のうち、この戦略は成長基盤の構築に資するテーマであり、中期事業戦略の“一丁目一番地”と位置づけてよいだろう。現在、「おうちマネージャー」、「おうちアルバム」、「オールワランティ」の3つの新たなデジタルプロダクトが市場投入あるいは開発中である。

まず、「おうちマネージャー」は2021年10月にリリースされており、住宅事業者と住宅オーナーを繋ぐモバイルアプリである。具体的には、住宅事業者毎に発行する専用電子マネーの積立・決済が可能なほか、メンテナンス依頼受付や情報発信がモバイルから簡単に利用可能となる。2022年7月からはメルディアグループのオーナークラブ会員向けに提供がスタートするなど、既に多くの案件を受注して出足好調のようである。

次に「おうちアルバム」は現在開発中で、新築施工、点検やメンテナンスといった住宅のあらゆる履歴を動画で管理できるアプリである。メンテナンスによる資産価値向上に寄与する。

最後に「オールワランティ」も現在開発中で、あらゆる製品・サービスの保証の一元管理を行うアプリで、例えば購入した電化製品等の保証修理もスマホから簡単に依頼でき、保証サービスが身近に使えて便利になる。

(2) 既存事業領域の深耕と新規事業領域の拡大
新たなデジタルプロダクトである「おうちマネージャー」や「おうちアルバム」を武器に、住宅領域の既存顧客(住宅オーナー)をロイヤルカスタマーとして育成を図る。また、新たなデジタルプロダクトである「オールワランティ」を武器に、新規領域で長期保証サービスビジネスを展開する。

(3) 新興テクノロジー企業との提携強化
既に資本業務提携先4社(カメラブ(株)、ネットスマイル(株)、RUN.EDGE(株)、(株)TechMonster)を活用した新事業展開も本格的に着手している。「おうち情報のトランスポーター」の一環で、同社では「動画の記録・分析・活用を通じたリアルサービス領域のDXサービスソリューション」の開発と実証実験を行っている。2022年2月には、カメラサブスクリプションサービスのカメラブと資本業務提携を締結した。他にも、AI業務自動化ソリューションサービスのネットスマイルや映像検索・分析技術のRUN.EDGEともそれぞれ資本業務提携を締結、DXサービスソリューションの共同開発を進めている。直近では、2022年9月にTECH MONSTERと資本業務提携契約を締結した。アプリインストール不要なオンライン現地調査サービスを共同開発し、2022年内のサービス開始を予定している。

今後さらに、技術やプロダクトを有するスタートアップテクノロジー企業との提携や積極的なM&Aも視野に入れている。

(4) デジタル投資の更なる強化
デジタルプロダクトの開発推進に向けてデジタル投資を強化する。特に、デジタル人材開発への投資(採用と研修などによる育成)強化を図っている。デジタル人材採用は積極的で、毎月6~8名中途採用実績があり、優秀なデジタル人材が確保されている。

今後、新しい企業ビジョンと4つの事業戦略をもとに「3ヵ年中期経営計画」へ展開し、現場活動に繋げる。今回の中期経営計画を近々公表の予定。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 日本リビング保証 Research Memo(6):新しい企業ビジョンと成長戦略で次の成長に向けて始動(2)