Abalance<3856>は15日、2022年6月期連結決算を発表した。売上高は前期比243.6%増の924.35億円、営業利益は同24.7%増の16.97億円、経常利益は同19.0%増の15.10億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同61.3%増の8.67億円となった。

当年度においては、ベトナム法人のVSUN社が営む太陽光パネル製造事業、WWB、バローズが主に担うグリーンエネルギー事業が、連結業績を大きく牽引した。製造用部材価格の値上がりや、世界的なコンテナ不足等を背景とする海上輸送費の高騰化により、主力の太陽光パネル製造事業が一時セグメント赤字となったが、部材調達価格の交渉や調達先の見直し、更なる生産効率化等によるコスト改善、客先への価格転嫁交渉等を行い、第2四半期以降はセグメント利益も大きく改善している。

VSUN社については、資金調達手段の多様化、ブランド向上等のため、ベトナム「UPCoM店頭市場」への株式上場について昨年より準備を進め、株式上場の前提条件として必要となるベトナム証券取引法における公開会社制度への登録について、ベトナム当局へ必要書面の提出等を行い、当局の審査中となっている。

グリーンエネルギー事業においては、太陽光発電所及び太陽光発電設備に係る物品販売を継続したほか、安定収益確保のため、太陽光発電所を保有する企業等へのM&A実行により、近年、重点施策としている自社保有化を更に推進した。当年度は、2030年グループビジョン(保有発電容量:1GW)を達成するための助走期間と位置付けているが、ストック型ビジネスモデルへの転換が徐々に功を奏し、安定収益源としての売電収入及びO&M収入は26.5億円を計上した。

また、産業機械関連事業における製粉製造設備、配合飼料製造設備の製造販売等を営む明治機械の普通株式を取得すると共に、資本業務提携契約を締結した。同社は、製粉・飼料設備の製造・販売を通じて営業基盤を確立しているため、双方の営業基盤を活用した事業展開が可能となり、脱炭素化社会を志向する太陽光発電事業に関しても実績・知見を有していることから、ソーラーシェアリングシステムの販売拡大、東南アジア全域を対象とした機械装置の販売拡大、光触媒活用による安全かつ衛生的な養豚・養鶏場の運営に関してシナジーが見込めるとの共通認識に至った。

2023年6月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比19.0%増の1,100.00億円、営業利益は同70.8%増の29.00億円、経常利益は同86.0%増の28.10億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同47.6%増の12.80億円を見込んでいる。

また、2022年6月期の期末配当金について未定としていたが、1株当たり10.00 円とすることを発表した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 Abalance---22年6月期は大幅な増収・2ケタ増益、太陽光パネル製造事業・グリーンエネルギー事業が大きく牽引