■事業概要

アルファ<3434>の事業セグメントは、自動車部品事業とセキュリティ機器事業からなる。自動車部品事業では、クルマにとって必要不可欠なキーセットとドアハンドルなどの設計・開発・製造を行っており、日本・北米・アジア・欧州にセグメント分けされている。セキュリティ機器事業は、住宅用電子キーシステムを扱う住設機器部門とロッカーシステム部門の2つの製品群があり、日本と海外にセグメント分けされている。2022年3月期の売上構成比は自動車部品事業78.5%、セキュリティ機器事業21.5%と自動車部品事業が高い比率を占めるが、営業利益(調整費除く)では自動車部品事業-21.9%、セキュリティ機器事業が121.9%となっており、収益額・収益性での両面でセキュリティ機器事業が貢献している。

1. 自動車部品事業
同社の自動車部品事業では、クルマにとって必要不可欠なキーセットとドアハンドルを手掛けている。2022年3月期の売上高は42,222百万円、営業損失285百万円、製品売上構成はドアハンドル50%強、キーセット40%弱、その他15%程度となっている。製品別の世界シェアではアウトハンドルが5%、インサイドハンドルが7%、キーセットが6%となっているが、自動車メーカーごとに特定メーカーとの取引が多いのが特徴である。同社の主要取引先は日産自動車<7201>グループ、VW(Volkswagen AG)グループ、本田技研工業<7267>グループ、いすゞ自動車<7202>グループ、Ford Motor Campany(以下、フォード)、三菱自動車<7211>グループ等であるが、特に日産自動車グループとの取引が多く、2022年3月期の自動車部品事業の売上高の46.6%を占める。また2016年ASSA ABLOY ABからのカーアクセス・セキュリティ事業取得に伴いVW向けが第2位の納入先となっており、同15.6%を占める。地域別ではアジア、欧米の寄与が大きい一方、日本は売上高の13.3%を占めるにとどまることに加え、利益面では損失を計上している。

2. セキュリティ機器事業
セキュリティ機器事業のうち、住設機器部門では電気錠や宅配ボックス、産業用ロックなど、ロッカーシステム部門では各種コインロッカーを手掛けている。2022年3月期の売上高は11,543百万円、営業利益は1,589百万円、売上構成比は住宅(特に戸建て)向け電気錠が全体の60%を占める。また、ロッカーシステム部門が15%となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アルファ Research Memo(2):車載用・住宅用電子キーシステム、コインロッカー等の総合ロックメーカー