■日本アジア投資<8518>の主な活動実績

1. PE投資
(1) ファンド運用残高(ファンド新設の進捗)
同社グループが管理運営等を行っているファンドの運用残高は10件で16,463百万円(前期末は11件で16,450百万円)となった。1ファンド(ファンド総額1,001百万円)※を新規設立した一方、2ファンド(同1,678百万円)が減少したが、為替の変動による増加により、ファンド総額では前期末と同水準を確保した。

※同社とあおぞら銀行で設立した合弁会社(持分法を適用していない関連会社)が運営し、主に国内のベンチャー企業を対象として、他社の運営するファンドが保有する投資証券の買い取り等、広範な投資機会を追求するファンドとなっている(ファンド名は、『AJC企業育成投資事業有限責任組合』)。


(2) 投資実績(戦略投資の実行、及び既存資産の流動化の進捗)
同社グループの自己勘定及び同社グループが管理運営等を行っているファンドからの投資実行額については8社に対して合計1,482百万円を行った。そのうち、プロジェクト投資のパートナー企業への戦略投資が3件含まれており、戦略投資残高は1,432百万円(前期末は1,155百万円)と増加した。また、前中計から進めてきた既存資産の売却及び流動化では、予定していた未上場株式の売却交渉が長期化し合意に至らなかった一方、事業承継を支援するファンドからの投資実行があったことから、戦略投資以外のPE投資残高は6,007百万円(前期末は5,612百万円)に増加した※。それらの結果、PE投資全体の投資残高は86社で7,440百万円(前期末は88社で6,767百万円)となっている。

※もっとも、同社グループが管理運営等を行っているファンドからの投資分が増加した結果であり、同社グループの自己勘定分(同社B/Sに計上されるフィナンシャル投資)は前述のとおり減少している。


(3) IPOの実績
2021年6月10日にワンダープラネット<4199>※1、11月24日にラストワンマイル<9252>※2、12月22日にリニューアブル・ジャパン<9522>※3、2022年3月23日にTORICO<7138>※4の4社がそれぞれ東証マザーズ市場に上場した。そのうちリニューアブル・ジャパンは、「戦略投資」からの第1号IPO案件となった。同社では、プロジェクト投資のパートナー企業に対して、プロジェクトでの協業を通じた支援を行う「戦略投資」に注力しており、その成果が表れたものとして評価できる。リニューアブル・ジャパンを含め、現在7社に対して「戦略投資」を実行しており、今後の動向が注目される。

※1 ワンダープラネットは、エンターテインメントサービス事業を展開
※2 ラストワンマイルは、インサイドセールス等を活用した新電力、新ガス、インターネット回線等のインフラサービスの取次販売及び自社サービス「まるっとシリーズ」の提供などを展開
※3 リニューアブル・ジャパンは、再生可能エネルギー発電所開発・運営事業を展開
※4 TORICOは、コミックの全巻売りECサイト「漫画全巻ドットコム」の運営及びマンガ・アニメ関連グッズの販売などを行う各種マンガ事業を展開

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アジア投資 Research Memo(3):「戦略投資」からの第1号IPO案件を実現(1)