ホテルビスタ仙台の実績推移を見ると、コロナ禍に伴う政府からの2回目の緊急事態宣言下の2021年2月には、稼働率、ADR(Average Daily Rate:実際に販売された客室1室当たりの平均単価)、RevPAR(Revenue Per Available Room:「販売できるすべての客室」の平均単価)は回復傾向にあった。感染者増加に伴い7月下旬には4回目の緊急事態宣言が発出したが、2021年8月期の同ホテルの実績は、1回目、2回目の時ほど大きな落ち込みは見られなかった。続く2022年2月期には、まん延防止等重点措置がとられていたが、稼働率、ADR、RevPARなどは前期比で改善しており、今後の回復に期待できる状況だ。人々の間に、コロナ禍にどのように対応すれば感染を予防できるかの認識が広がったことが背景にあると見られる。足下ではまん延防止等重点措置が解除されているものの、2022年に入ってからは全国的に感染再拡大の傾向が見られ、楽観視できない状況である。ただ、ホテルビスタ仙台は元々高稼働の物件であることから、同投資法人では、客室売上の動向やホテル運営コストの適正性を注視する方針である。