■ファーマフーズ<2929>の株主還元策

株主への利益還元については、企業の成長性と収益性を両立させる事業方針の下、研究開発、広告宣伝及びM&A等に対する積極的な投資を拡大させながら、株主に対する還元策として配当等を積極的に充実させていくことを基本方針としている。この方針の下、成長投資の推進、財務健全性の確保及び株主還元の強化のバランスを考慮し、自己株式取得を含む総還元性向20%を株主還元策の目安としている。

2021年7月期の1株当たり年間配当金は、記念配当5.0円を含む25.0円(配当性向18.9%)を実施した。また、2022年7月期の1株当たり年間配当金については、前期比5.0円減(普通配当ベースでは前期と同額)の20.0円(配当性向14.5%、総還元性向21.9%)を予定している。このほか、2021年9月には108,300株(取得価額の総額299百万円)の自己株式を取得した。



■ESG・SDGsへの取り組み

「サステナビリティ基本方針」を策定し取り組みを強化

同社は、天然由来原料から生命活動と健康維持に関わる食品・化粧品の機能性素材及び製品を開発し販売するという事業そのものがSDGs(持続可能な開発目標)に合致していると言える。また2021年12月に「サステナビリティ基本方針」を策定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営やSDGsへの取り組みを強化している。健康維持の総合サポート企業として「100歳時代に価値ある豊かさと価値ある健康を」というサステナビリティビジョンを掲げ、自社の事業成長が持続可能な社会の実現に貢献できるよう努めていく方針だ。マテリアリティ(重点課題)としては、「人々のQOL向上」「未利用資源のアップサイクル」「多様性の尊重」を挙げ、これらのマテリアリティへの対応を通じて、サステナビリティビジョンの達成とさらなる企業価値の向上を目指す。

トピックとしては、既述の卵殻膜を用いた新たなアップサイクル事業への参入に関し、同社の卵殻膜繊維がテレビ番組で特集されるなど注目を集めている。また、国立研究開発法人国立循環器病研究センターの血管性認知症専門医チームと、「食」による認知機能改善についての共同研究を2022年4月に開始した。GABAを含む「脳機能カクテル」により、脳の老廃物除去、脳血流の促進、脳神経細胞の活性化などを目指す方針だ。このほか、2025年開催予定の大阪・関西万博に「タマゴは地球人を救う」というテーマで大阪パビリオンに出展予定である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ファーマF Research Memo(10):自己株式取得を含む総還元性向20%が株主還元策の目安