アウトソーシング<2427>は9日、2022 年12月期第1四半期(22年1月-3月)連結決算(IFRS)を発表した。売上収益が前年同期比25.5%増の1,553.13億円、営業利益が同16.4%増の60.08億円、税引前利益が同30.3%減の39.85億円、四半期利益が同46.7%減の18.14億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同47.2%減の16.16億円となった。

国内技術系アウトソーシング事業の売上収益は前年同期比24.0%増の342.25億円、営業利益は同34.3%増の29.22億円となった。コロナ禍の影響は限定的であり、前年同期比で大幅な増収増益となった。新卒約2,600名に関する先行投資費用を吸収してなお利益は2桁増となった。採用は、KENスクールを活用した未経験者を教育して配属するスキームにより採用単価を抑制しながら伸ばしており、期末外勤社員数は、前年同期末比3,836名増の22,085名と、業界トップに躍進している。製造業の景気変動の影響を受けにくくするための重点分野として位置付けているIT分野や建設、医薬分野も拡大した。

国内製造系アウトソーシング事業の売上収益は前年同期比17.6%増の270.33億円、営業利益は同11.8%減の14.93億円となった。製造派遣・請負及び期間工の有料職業紹介にて、半導体不足やコロナ禍によるサプライチェーンの滞りによる生産調整の影響が継続した。振替生産が見込まれるが、足もとでは、工場停止等による売上減が生じた。期末外勤社員数は前年同期末比2,892名増の21,506名となった。長引く半導体不足により採用をコントロールしているが、今後、振替生産の本格化に伴い増員していく見通し。管理業務受託は、顧客メーカーの外国人技能実習生活用ニーズは堅調だが、技能実習予定者の来日が困難な状況が継続しており、成長が足踏みする結果となった。しかし、適切な管理実績を高く評価され、国内首位の事業者として3月末の管理人数は18,510名となった。

国内サービス系アウトソーシング事業の売上収益は前年同期比20.7%増の84.02億円、営業利益は同18.8%減の10.92億円となった。米軍施設向け事業が主力事業であり、米軍施設の建物や設備の改修・保全業務がコロナ禍の影響もほとんどなく順調に伸長した。米軍工事の入札には、同額のボンド(履行保証保険)が義務付けられることが通例であり、同社の信用力を活かしてボンド枠を拡張し利益率の高い大口受注へとつなげている。なお、前年同期比減益だが、大型工事の検収が重なり極めて高い利益が生じた前年同期と比較したためであり、事業の収益力は損なわれていないとしている。

海外技術系事業の売上収益は前年同期比39.4%増の367.31億円、営業利益は同61.8%増の16.97億円と、前年同期比で大幅な増収増益となった。英国では公的債権回収の受託業務において一部に回収率悪化が見られたが、アイルランドやオセアニアが好調を継続し、事業セグメントでは計画を上回る業績となった。なお、英国の公的債権回収事業は、今後の回収増が見込まれているとしている。

海外製造系及びサービス系事業の売上収益は前年同期比22.6%増の489.07億円、営業利益は同45.3%減の7.55億円となった。オランダの大手スーパーを中心としたインターネットショッピング関連事業が伸長したほか、英国では、政府向け人材紹介事業や地方自治体向けBPO事業が好調であり、南米では、物流向けや小売向け警備事業や清掃業務が堅調だった。一方、利益面では、のれんの減損が英国で4.60億円及びブラジルで0.60億円生じたほか、変異株急拡大に伴う対策費用が利益を押し下げる結果となった。

その他の事業の売上収益は前年同期比11.3%増の0.15億円、営業利益は1.09億円(前年同期は0.22億円の損失)となった。特例子会社での障がい者による事務のシェアードサービス事業及び手話教室事業等が、堅調に推移した。

2022年12月期通期の連結業績予想については、売上収益が前期比22.1%増 の6,950.00億円、営業利益が同33.4%増の320.00億円、税引前利益が同150.7%増の296.00億円、当期利益が同832.5%増の193.00億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が185.00億円とする期初計画を据え置いている。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 アウトソーシング---1Qは2ケタ増収、全セグメントで売上収益の過去最高を更新