a) JTRB 2019年8月に、同社グループ6ヶ国目の進出先となるカンボジアの商業銀行42行中でTOP10に入る資産規模(2018年12月末当時)のANZ Royal Bank(Cambodia)の株式55%を取得し、商号をJTRBに変更した。グループ入り後、貸出残高は順調に増加していたが、カンボジア国内でのコロナ禍に伴い、一時は新規貸付を抑制していた。しかしながら、同国のコロナ禍は周辺国に比べて軽微であることから、好調な預金獲得を背景に堅調な法人資金需要に対応して貸出残高の積み上げを再開している。キャンペーンや新商品投入効果により、2021年12月末の預金残高は1,153億円と増加傾向にあり、COF(Cost of Funds)は2.7%と低位で安定推移している。また、貸出残高も法人向けを中心に拡大傾向が持続しており、2021年12月末時点で1,057億円となった。一方で、NPL比率は0.45%と引き続き低位で安定推移している。
また、世界中の銀行、保険、証券等をカバーする出版社であるGlobal Business Outlookより、パフォーマンス、イノベーション、業界の価値創造に意欲的な企業を表彰する「Most Customer Centric Bank Cambodia 2021」を受賞したことが特筆される。JTRBの顧客への商品知識・専門的な対応・優れたサービスの提供、オンラインブランドの存在感、さらに同行が果たしている社会的責任など、顧客第一主義の経営姿勢が高評価されたと言える。
b) BJI 長期間にわたって預金保険機構の管理下にあったBJIについては、同社グループでは最優先課題の1つとして再生に取り組んでいる。これまでに、同行の増資を行うとともに、不良債権の回収に特化した新会社PT JTRUST INVESTMENTS Indonesia(以下、JTII)を設立して、同行から不良債権を切り離して譲渡することにより、財務体質の改善を図るなど銀行再生を加速してきた。ただ、銀行再生が計画どおりに進まなかったことから、2019年3月期決算において抜本的な対応に踏み切った。すなわち、BJIでは買収前からの負の遺産を含めた不良債権を前倒しで一括処理することを決断した。このように抜本的な不良債権処理を断行することで、東南アジア金融事業の業績急回復を実現するための基盤を整えた。
トピックとしては、飯田グループホールディングス<3291>がインドネシア国内各地に事業展開しているグループ各社との業務提携を順次締結しており、足元では3社と提携済である。また、PT Asuransi Jiwa Sequis Financial(インドネシアの財閥グループであるGSKグループと、日本生命保険相互会社の合弁であるPT Asuransi Jiwa Sequis Lifeの100%子会社)と、近い将来の生命保険・医療保険の販売を視野に入れた包括的業務提携契約を締結した。