Abalance<3856>は14日、2022年6月期第2四半期(21年7月-12月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比130.3%増の266.55億円、営業利益は同37.0%減の5.32億円、経常利益は同61.4%減の3.40億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同130.6%増の8.03億円となった。

第2四半期累計期間においては、VSUN(Vietnam Sunergy Joint Stock Company)が営む太陽光パネル製造事業、WWB、バローズが担うグリーンエネルギー事業が引き続き、連結業績を牽引した。VSUNにおいて、欧米市場からの旺盛な受注が継続していることから、売上高を1月31日に従前予想350億円から385億円へ上方修正した。段階損益については、今後のオミクロン株の流行等に伴う影響を保守的に考慮して、各数値を据置きとしているが、製造用部材価格の値上がりや世界的なコンテナ不足等を背景とした海上輸送費の高騰化もピークアウトし、部材調達価格の交渉、調達先の見直し、更なる生産効率化等によるコスト改善、客先への価格転嫁交渉等を継続してきたことから、第3四半期以降も太陽光パネル製造事業の利益改善を見込んでいる。同事業の工場生産・操業についても、現地の生産・勤務体制の見直しやサプライチェーンの調整対応等が奏功し、正常稼働となった。中国の春節、ベトナムのテトによる祝日の影響に伴う工場操業度の低下を回避するためにサプライヤー協力や事前の生産スケジュールの調整等を行い、工場稼働・出荷体制の維持、正常操業の確保を図っている。グリーンエネルギー事業においては、太陽光発電所及び太陽光発電設備に係る物品販売を継続したほか、太陽光発電所の自社保有化についてスピード感を持って更にこれを進めるため、M&Aを積極的に実行している。太陽光発電所の自社保有化は堅調に進捗し、売電収入を安定収益源とするビジネスモデルを引き続き推進している。また、2021年12月において、再生可能エネルギー関連事業基盤拡大のため、セカンダリー市場での太陽光発電所の取得資金及びグループのバーディフュエルセルズにおける次世代エネルギー関連の研究開発のため増資を実行し、総額7.75億円を調達した。同研究開発は、太陽光電力を貯蔵して7日間連続給電を可能とするオプションを2024年に太陽光パネルと同価格で提供することなどをビジョンとするもの。なお、VSUNについては、更なる成長資金の獲得を企図し、ベトナム「UPCoM店頭市場」への株式公開に向けて準備中であり早期実現を果たしていくとしている。

2022年6月期の連結業績予想については、売上高は前期比43.1%増の385.00億円、営業利益は同2.9%増の14.00億円、経常利益は同12.6%増の14.30億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同59.6%増の8.58億円。また、未定としていた中間配当について、普通配当7.00円に特別配当1.00円を加え、1株当たり8.00円とすることを発表した。


<EY>
情報提供元: FISCO
記事名:「 Abalance---2Qも大幅な増収、コロナ影響あるもベトナムVSUN黒字転換へ