クラボウ<3106>は8日、2022年3月期第3四半期(21年4月-12月)連結決算を発表した。売上高が955.82億円、営業利益が52.30億円、経常利益が62.94億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が42.44億円となった。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当第1四半期の期首から適用しており、2022年3月期第3四半期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前年同期増減率は記載していない。

繊維事業の売上高は315億円(前年同期は304億円)、営業損失は2.7億円(同16.3億円の損失)となった。原糸は、インナー用原糸などの受注が回復傾向となった。テキスタイルは、ユニフォーム及びカジュアル向け素材が、前年度の新型コロナウイルス感染拡大による大幅な受注の減少から回復傾向だった。繊維製品は、国内衣料品販売の回復遅れにより、低調に推移した。また、製造・販売の両面において引き続き収益改善策を実施した。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は40億円減少している。

化成品事業の売上高は381億円(前年同期は350億円)、営業利益は21.6億円(同8億円の利益)となった。軟質ウレタンは、自動車メーカーにおける車載向け半導体不足の影響を受けたが、前年度の新型コロナウイルス感染拡大に伴う大幅減産の影響からは回復した。機能樹脂製品は、好況な半導体業界の影響を受けて、半導体製造装置向け樹脂加工品が好調に推移し、また自動車向け特殊フィルムの販売が堅調だった。住宅用建材は、新規に開始した防熱工事の受注が順調に推移したが、景観材などの販売が低調だった。不織布は、自動車用フィルターが好調だった。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は41億円減少している。

環境メカトロニクス事業の売上高は168億円(前年同期は125億円)、営業利益は18.2億円(同9.7億円の利益)となった。エレクトロニクスは、好況な半導体業界の影響を受けて、液体成分濃度計及び基板検査装置が好調だった。また、2021年2月に全株式を取得し、連結子会社となったセイキの業績が好調だった。エンジニアリングは、設備工事案件などが堅調に推移し、子会社でも大型プラント案件があった。バイオメディカル関連の撹拌脱泡装置は順調に推移したが、新型コロナウイルス抗体検査試薬キットの販売が減少した。また、工作機械は、国内向けの販売は低調に推移したが、中国向けの販売が回復した。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は7億円増加し、営業利益は1.9億円増加している。

食品・サービス事業の売上高は62億円(前年同期は64億円)、営業利益は1.9億円(同2.1億円の利益)となった。食品は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴う、内食需要の継続により成型スープの販売が好調だった。ホテル関連は、緊急事態宣言などの影響もあり、宿泊や宴会が引き続き低調だった。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は4億円減少している。

不動産事業の売上高は28億円(前年同期は30億円)、営業利益は20.9億円(同21.4億円の利益)となった。不動産賃貸は、賃貸事業の推進に注力したが、一部の賃貸物件は契約期間満了となった。

2022年3月期通期については、売上高が1,310.00億円、営業利益が58.00億円、経常利益が65.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が43.00億円とする、2021年11月10日に上方修正した連結業績予想を据え置いている。「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しているため、業績予想は当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前期増減率は記載していない。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 クラボウ---3Q売上高955.82億円、市場ニーズに対応した営業活動や新商品の開発に注力